2007-01-01から1年間の記事一覧

リンネのこと

リンネのことを検索していると、今年がリンネ生誕 300周年であることに気がついた。そういえば、今の天皇がスウェーデンを訪問したりイギリスのリンネ協会で講演したということもあったのを思い出した。その講演の内容は、ここで読める。その元の英語もそこ…

♂♀記号に対する疑問点

♂♀の記号が、マルス(軍神で♂は火星も意味する)の盾と矛、ビーナス(美神で♀は金星も意味する)の手と鏡であり、アイコンではなくてシンボルであるという金川さんの文章を読んだときは、感動のあまり、周りの人に話してまわったものだが、そのうちにいろい…

♂♀の記号の意味

雌雄同体を示す記号は、図の通りであるが、これは当然♂と♀をあわせたものだと想像がつく。 それで、♂と♀の記号としての起源については、富山商船高専の言語学者である金川欣二さんの『フェイスマークの図像学 (^_^;』に詳しい。この記事は、インターネットが…

雌雄同体にまつわる用語

このところ、雌雄同体について考えていたので、雌雄同体にまつわる用語をまとめておきたい。まず、雌雄同体という言葉はよく知られているだろう。雄と雌の器官が同じ個体の中に現れることだとすると、話は簡単なのだが、生物界全体を考えるとなると、話が複…

Tinbergen's four questions

先の『生物に対する「なぜ」』を書いた後で、ティンバーゲンの元の論文*1を取り寄せて読んでみた。取り寄せたのは夏前だったのだが、今の時点で気になっていること、思うことをまとめておきたい。 ネットでは、4つの問いを表にしたものが見られるようだが、…

自然博物館における標本の意義:タイプ標本

タイプ標本は、新種を発表するときに基づいたものであり、その永久保存が国際的な命名規約に定めてあるから、国際的にも科学的にも文句なしに重要な標本と見なされている。しかし、命名規約自体は、法律の条文集のようなものであり、少々読んだくらいでは歯…

きしわだ自然資料館

標本について考えていて、きしわだ自然資料館の3階の剥製の展示を思い出した。見に行ったのが数年前なのだが、今でも続いているのだろうか。ここの剥製は、あるコレクターが集めたものを、市が引き受けたらしい。剥製の寄贈を受けるに当たって、いろいろな…

自然博物館における標本の意義

この文章は、先の和歌山県立博物館の特別展解説書を読んでいて考えたことであり、標本に対する私的なメモである。このことは、以前に述べた「本物とはどのようなものか 」「なぜ本物を展示するのか:反「レプリカ礼賛」 」にも通じることでもある。自然博物…

和歌山県立自然博物館

和歌山県立自然博物館で「サンゴやクラゲのふしぎ大発見」という特別展を見て来ました。 とにかく盛り沢山の展示で、サンゴやクラゲなどの腔腸動物(刺胞動物+有櫛動物)のあらゆる分類群について網羅されていて、標本および生き物の両方について、これでも…

生物に対する「なぜ」

このところ、生物に対する「なぜ」ということについて考えていた。それで、『生き物をめぐる4つの「なぜ」』という本を改めて読み返している。この本が述べている4つの「なぜ」という設定は、ノーベル賞受賞の行動学者ティンバーゲンによる four questions…

陸と海の対比

海洋生物学のある教科書*1を読んでいたら、陸と海の生態系の比較という項目があった。このような話はいかにも思弁的であり、確立された知識や流行の研究例だけを学べばよしと思っている人には、余分な項目に思えるかも知れない。しかし、私としては、このよ…

阪南市・首斬り地蔵

先の「堺泉州の隠れた名所99」に従って、阪南市の「首斬り地蔵」へ行って来ました。おそらく、本の紹介がなかったら、まず行くことはなかったところでしょう。 お地蔵さんにしては、けっこう大きなつくりで、前には椅子が並べられていて、地元の人が、大切…

田尻町・春日神社

この週末の土曜日に、先に触れた「堺泉州の隠れた名所99」を携えて、泉南のいくつかの場所を訪れて来ました。訪れたのは、永楽ダム−尼津池(道がわからなくて、行き着けず)−泉佐野漁港−春日神社などですが、ここでは春日神社について述べます。 上記の本…

巨木・名木の博物誌

いくつかの有名な木のことを書いてみて、気がついた。名前をつけて呼ばれているような木には、その木にまつわる物語があるのだった。その物語には、史実もあるだろうし、単なる言い伝えやら、誤って伝えられていることもあるかも知れない。いずれにしても、…

大阪府立花の文化園

昨日「大阪みどりの百選」のことを調べていたら、河内長野にある「花の文化園」が大阪府立であることを知った。前に「大阪府立の博物館は、ちょっと変だぞ」という文章を書いたが、またしても大阪府立である。「花の文化園」という名前に引っぱられて、植物…

大阪みどりの百選

「岡中の楠」のことを検索していると、「大阪のみどり百選」というものに選ばれているとのことだった。かねてから、大阪のいろいろなところを訪れていると、この石碑によく出会った。実際のところ、どのようなところが選ばれているのか、どのような趣旨で選…

岡中の楠

自然居士の大イチョウを書いたついでに、すぐ近くの泉南市の「岡中の楠」にも触れてみたい。この木も、一度見分けることができれば、阪和道の泉南インターチェンジへ向かう道路からも簡単に認識することができる。私が訪れたのは、2006年の7月だった。 ここ…

自然居士の大イチョウ

連休の前半の29日に、阪南市にある「自然居士の大イチョウ」を見て来ました。以前から横の道を通るたびに、その姿に気になっていました。ちょうど、となりの民家?をとり壊しているようでしたが、工事も休みのようで、そこに車を停めて、ゆっくり見させても…

泉南と東播の対比

昨日泉州のことに触れたついでに、かねがね思っていることとして、泉南と播磨地方、特に私が生まれ育った明石を含む東播地方との類似性を書いてみたい。縁があって、泉南地方を頻繁に訪れるようになって以来、いつもなにか懐かしい気持ちを抱いて来た。その…

堺泉州の隠れた名所

「堺泉州の隠れた名所99」という本を、友人から見せてもらった。桧本多加三著、2006年6月発行、堺泉州出版会、\1050 ということなのだが、マイナーな出版なのか、ネット上で画像が見つからなかったので、以下に掲げます。 著者の桧本多加三さんというのは…

大阪府立の博物館は、ちょっと変だぞ

博物館のことをいっぱい書いたので、勢いで、日頃思っている大阪府立の博物館への文句を少しばかり書いてみたい。(以下のことは、個別の博物館に働いている人に対する文句ではなく、博物館の構想をつくった人たちへの批判です。念のため。) 先に触れた「レ…

本物とはどのようなものか

博物館は本物を展示するものだということから、本物とはどのようなものかについて考えてみた。 本物とは「唯一無二」のものだ、というのが、ここでの私の主張である。このことは、今のところ、私の思い込みだから、誰も賛同してくれないかも知れないが、この…

水族館は博物館

水族館を博物館と類別することに、どのように思われるだろうか。水族館の中には、博物館相当施設だと威張っている?ところもあるが、博物館相当施設というのは、単に文科省が法律かなにかで指定しているだけのことである。むしろ、生物を展示するからこそ、…

エビカニ水族館

少しは時間があったので、帰り道に、エビカニ水族館も訪れた。夕方間近だったので、他には訪問者もなく、建物の老朽化と周りにいる多数の猫と合わせて、なんとなく廃墟めいた印象を感じてしまうのだが、中の展示は、充分に意欲的なものだった。 以前に見たと…

串本海中公園水族館

先週末に、串本方面へ行ったついでに、串本海中公園とすさみのエビカニ水族館を訪れた。目的は、海中公園で改装されたサンゴの水槽と、ウミガメ展だった。 入り口のサンゴの水槽は、以前のものに比べて、岩組みがコンパクトになって、すっきりした感じ。ただ…

なぜ本物を展示するのか:反「レプリカ礼賛」

先に紹介した「泉州ミュージアムネットワーク」に「かわら版こらむ」というのがあって、「レプリカ礼讃・レプリカのすすめ」という記事が載っています。たぶん、このコラムは、私が初めて見て以来、まったく変更がされていないので、次に書く人がいないので…

がんばれ博物館

泉州ミュージアムネットワークに載っている博物館の多くには、人々はあまり行かないようだ。私が行った博物館の中には、入場者が他には誰もいなくて、職員の方が、大慌てで電気のスイッチを入れてくれるような場合もあった。 その一方で、「○○展」とか銘打っ…

泉州ミュージアムネットワーク

何年か前に、どこかの博物館に行ったときに、右の写真のような青いパンフレットをもらったことから、がぜん博物館訪問に目覚めた。パンフレットには、39の博物館が載っているのだが、たぶん30近くは訪れただろうか。専任の学芸員もいないような小さな展…

ウメ

今年は、異常に暖冬だから、ウメの花の季節も早かった。年によっては、3月の初めでもまだ咲いているときがあるのに、今年は、もう終わりである。ウメの季節は、花粉症の始まりでもある。この数日、一気に目がかゆくなり、鼻水も出てくるようになった。 この…

路傍百種について

「路傍百種」という言葉は、ある尊敬する人と話していて、教えていただいた。身近にある生物のうち、まず100種を覚えなさい。100種を完全に識別できれば、かなり物知りのような気分になれる。そうすると、あれは知っているが、これは知らないということもわ…