2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「進化論はなぜ哲学の問題になるのか」の感想4:階層性

個人的には、生物における hierarchy というものを考えることは嫌いではない。たしか高校の頃の教科書に、素粒子・原子などから、細胞−器官−個体−個体群−種−群集−生態系−地球−宇宙などを並べたものが、自然の階層として載っていた。これなどは、とにかく小さ…

「進化論はなぜ哲学の問題になるのか」の感想3:目的論

このブログでは、当然のことのように、生物における目的論的な議論を行なって来た。それというのも、昔読んだ Mayr の teleology & teleonomy の区別からすれば、正当な目的論的表現は、生物学にとって許容されるものと考えていたからである。また、Tinberge…

アオクサカメムシ

家庭菜園のナスビが、秋ナスの季節になるものと思っていたら、かなりの虫の被害に遭っている。ひとつには、先に述べたクロメンガタスズメの巨大な芋虫が、また2匹出現して、葉っぱをかなり食べてしまったこと。もうひとつは、以下のカメムシのために、ナス…

ヒガンバナ

しばらく自宅を不在にしていたので、「路傍百種」も間が空いてしまった。先週の終りあたりから、一気に気温が下がって、秋らしくなって来た。 (2010/09/24 撮影)ヒガンバナの花は少しも珍しくはないだろうが、我が家に初めて咲いたということで取り上げる…

ヤガタアリグモ

この虫は、畑のナスビの葉っぱに付いていたが、このような赤と黒の混じった細長い虫には、毒のあるものがいるとどこかで読んだ気がして(あとで調べたらハネカクシの仲間らしい)、恐る恐る写真を撮ったのだが、案外動きが早くて、一枚写真を撮ったらどこか…

「進化論はなぜ哲学の問題になるのか」の感想2:メタファーとメトニミー

この冬にメタファーなどのことをあれこれ考えて来た後なので、7章の「ふたつの思考法:メタファーとメトニミーのはざまで」に、まず食い付きたい。以下のような対比が述べられている。 分類科学=分類思考=メタファー=集合/要素=認知カテゴリー化 ⇔ 古…

クロメンガタスズメ

(2010/09/05 撮影) この芋虫は、最初、ナスビの葉っぱに糞が付いていることから見つけた。緑っぽい色をしていることから、昨年撮ったオオスカシバかと思って、あまり気にも留めず、一応はナスビにも付いていたということで、写真だけ撮って、別のところに…

ほんの感想

「本の感想」というカテゴリーを作ることにする。過去の「記事一覧」を見ていると、ポツポツと本の感想めいたことを書いている。ある程度書評を意識したものもあるが、ちょっとした「ほんの感想」程度のものもある。日頃、特に多くの本を読むわけではないし…

「進化論はなぜ哲学の問題になるのか」の感想1

この本は、朝日新聞の書評欄で、作家の高村薫氏の書評を見て、買う気になった本である。その書評を読む限り、高村が、進化論と哲学の結びつきについて、その本の内容にまで立ち入って理解しているようにはとても思えなかった。そのくせ、なんとなく問題の重…

コアオハナムグリ

ハナムグリの類は、前にアオドウガネのところで触れた子供の頃の呼び方でいえば、チビブイである。私が育ったところは町の中で、庭のあるような家も少なかったから、この種類をよく見かけたのは、お寺の墓場だった。そこのお供え物の花によく付いていたよう…

オヒシバ、メヒシバ、アキメヒシバ

イネ科の植物は、春の時期には、取り上げ損ねたものがいくつかあったのだが、夏から秋にかけては、昨年既に取り上げてしまったものが多いようだ。昨年取り上げていなかったもので、ごくありふれたものが、今日取り上げるオヒシバ・メヒシバだろう。これらの…

ニクバエの一種

このようなハエは、いかにも不潔な感じがして、この路傍百種を始める前ならば、目についても、目をそらしていたものなのだろうが、今や写真を撮る方向へ行ってしまう。ちょっとピンぼけなのだが、いかにも汚そうな腐ったエサを食べているところが撮れた。 (…

ミカドトックリバチ

ハチは、目についたものから写真には撮るのだが、同定が難しいという印象があって、なにがなんでも同定をしようという気にならずに、未同定のものが溜まっていっている。今回の種類は、比較的大きかったので、なんとかなるのではないかと思って同定を試みた…

ナガコガネグモ

昨年の11月にジョロウグモのことを取り上げたときに、Wikipedia のジョロウグモの項目で、ジョロウグモと呼ばれているものには、往々にしてコガネグモ類が混同されていることを知った。たしかに、ジョロウグモと思っていたものに、巣に白い帯がついていたり…

ダンダラテントウ

(2010/08/23 撮影) このテントウムシは、「おっテントウムシ!」ということで、とにかく写真に撮ったのだが、いつもの岐阜大学のページでは見つからず、「福光村昆虫記」のページで、ダンダラテントウと同定した。それで改めて、岐阜大学のページをみると…