2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「象は鼻が長い」とメトニミー5

先に触れた吉川武時氏の「「〜は〜が〜」構文について」というサイトの2ページ目で、「象は鼻が長い」という文は、「象の鼻が長い」から、「象」を主題化変形したものであるとしたうえで、主題化変形について次のように一般化している。 「Aの Bが 〜」で…

「象は鼻が長い」とメトニミー4

前回の記事では、「XはYがZである」において、XからYへと対象の範囲が狭まって行くことを、入れ子状の図式で見た。実は、先に引用した山梨の論文では、入れ子状の図式の前に、以下のような図が掲げられている。 こちらの場合は、参照点やターゲットが次…

「象は鼻が長い」とメトニミー3

前回の謝豊地の論文を読んだ後に、思い出したのは、山梨正明(2001)*1の論文だった。この論文は、たまたま身近で手に入ったので、レトリックの学習を始めた昨年の今頃に読んだものだった。そこでは、認知主体(conceptulizer)、参照点(reference point)、ター…

「象は鼻が長い」とメトニミー2

「象は鼻が長い」のような「XはYがZである」という構文が、メトニミーやシネクドキにも関連することを知ったのは、以下の論文からだった。謝豊地 正枝*1 国立台湾大学・日本語日本文学系教授「主な比喩表現の表示する多義性と意味構造に対する比較研究(P…

「象は鼻が長い」とメトニミー

「象は鼻が長い」は、日本語について興味をもったことのある人なら、必ず出会う表現だろう。日本語の主語や「は」という助詞の意義など、これまでいろいろな観点から論じられて来たに違いない。ここでは、そのようなことの詳細にふれるのではなく、このブロ…