博物館

秋津野みかん資料館

田辺市の秋津野ガルテンにある「秋津野みかん教室『からたち』」に行って来た。秋津野ガルテンは、古い木造校舎を再活用した施設で、レストランや体験教室や宿泊施設などをやっている。レストランは、地元農家からの野菜を中心としたバイキング料理で、何度…

博物館のレプリカと、芸術品の贋作

先に、「いつ贋作か――贋作の記号学メモ」の感想という記事を書いた。このようなことに興味を持ち始めたのは、博物館のレプリカのことを考えたことがきっかけであるから、美術館(これも広義の博物館だろう)における贋作のことを対比して考えてみると、なか…

「いつ贋作か――贋作の記号学メモ」の感想

いつも勉強させてもらっている「現在思想のために」というブログで、「いつ贋作か――贋作の記号学メモ」という一連の記事が目についた。おそらく、この記事は以前にも読んだ気がするのだが、少し前に「パースのレプリカと博物館のレプリカ」という記事を書い…

忠犬ハチ公の剥製の色

「博物館 レプリカ」で検索をしていると、非常に興味深いホームページを見つけた。ハチ公クラブの「博物館の怠慢」という記事なのだが、国立博物館の忠犬ハチ公の剥製の色が、経年変化で白くなってしまっているが、本来の秋田犬の色からしても、またおそらく…

パースのレプリカと博物館のレプリカ

パースの記号論では、legisign は、sinsign をレプリカとして持つことになっている。つまり、legisign は、一般的なアイデアや規範や法則や習慣などであるから、それを具体化して表現するためには、sinsign としての実例が必要だということなのだろう。レプ…

京都梅小路の水族館4

梅小路の水族館について、いろいろな情報を拾い出して来たので、最後に、私の見解を述べておきたい。私は、もちろんこの水族館に反対である。反対する論点は、いくらでも思いついて、どこから書いてよいか困るほどである。それで、こちらの「写真少年漂流記…

京都梅小路の水族館3

「京都水族館(仮称)と梅小路公園の未来を考える会」のサイトでは、いろいろなシンポジウムの報告書を読むことができる。その中で、2010年9月の第2回シンポジウムでは、川那部浩哉京都大名誉教授に、幸島司郎京都大学教授が講演者やパネリストとして発言…

京都梅小路の水族館2

先に「京都梅小路の水族館1」で書いたことや、インターネット上の情報をすりあわせて行くと、この水族館の計画は、いかにも不気味なものに思えてくる。実際のところ「梅小路 水族館」で検索してみると、反対意見がズラリと並んで出てくる。そんな中で、着工…

京都梅小路の水族館1

名古屋港のシャチのことを調べていたら、京都に水族館が計画されていることを知った。ウカツにも、多くの人が反対していたらしいのだが、こういう計画があること自体をまったく知らなかった。しかも、そういう反対の声があるにもかかわらず、既に工事にとり…

名古屋港水族館のシャチ

2週間ほど前の1月14日に、名古屋港水族館でシャチが死んだらしい。昨年、太地の水族館と、高額(5億円)で取引されることが話題になっていたときから、もしうまく行かなかったらどうするのだろうかと、少し心配していたのが、最悪の展開(水族館にとって…

佐藤春夫記念館

10月前半の三連休のときに、和歌山県新宮市の佐藤春夫記念館へ行って来た。そこは、熊野速玉大社の駐車場のすぐ前で、以前にも何回か通り過ぎたことがあったのだが、中に入ったのは初めてだった。しかも、佐藤春夫がどういう作家であるかも、ほとんど知らな…

和歌山市立博物館−特別展「エコロジーの先駆者 南方熊楠の世界」

先の土曜日(10月24日)に、和歌山市立博物館で開かれている特別展「エコロジーの先駆者 南方熊楠の世界」*1 *2に行って来た。当日は「熊楠の神社合祀反対運動とエコロジー」という特別講演会もあったので、それも聴講することが出来た。 展示全般の感想は、…

国際児童文学館の移転

「児童文学館移転、10年で4億5000万円節減 : 橋下 府政改革 : 特集 : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」という記事を見たときに、10年でということになっているから、金額がいかにも多そうに見えるが、1年にすれば4500万円ということで、その金…

ワッハ上方の通天閣への移転

ワッハ上方の通天閣への移転のことが、話題になっている。橋下知事が素晴らしい案だと自画自賛をしてみたり、吉本興行から抗議があったり、さらに橋下がそれを非難してみたりと、泥仕合のようになっている。裏の事情もいろいろあるようで、どちらの言い分に…

ビオトープ孟子

6月26日に、ビオトープ孟子(和歌山県海南市)へ行って来た。平日の昼間だったので、私たち以外は、ビオトープの関係者?が農作業をされているだけだったが、静かな里山の自然や、すぐ近くにある「孟子不動尊」まで参拝して、一緒に行った妻やその母も大満…

四万十川学遊館(あきついお)

ゴールデンウィークに四国旅行の最後には、四万十川学遊館(あきついお)に行った。四万十川がいつ頃からあれほど有名になったのか知らないが、中村市が四万十市になっているし、窪川は四万十町になっているから、四万十の知名度は相当なものなのだろう。時…

足摺海洋館

5月4日に、足摺海洋館を訪れた。この水族館は、四国に行く前にはまったく予定していなかったところなのだが、足摺岬に向かって南下しているときに、たまたま通りがかって、入場することになった。この周辺には、海中展望塔や海のギャラリーなどの施設があ…

紫電改展示館

愛媛県南部の愛南町(以前は御荘町だったか)にある「紫電改展示館」に行った。 この紫電改を見るのは2回目で、前回はたぶん25年くらい前になると思う。前に見たときには、こんな小さなペコペコの飛行機で、よくもまあ戦争をやったものだと、感慨があったも…

坂の上の雲ミュージアム

先のゴールデンウィーク中に、四国を旅行して、いくつかの博物館を訪れたので、その感想を書いておきたい。まず最初は、松山市の「坂の上の雲ミュージアム」について。 この博物館については、最初は行く気がなかったのだが、泊まったホテルのすぐ向かいに、…

水族館はなにを目指すか:なぜアジとサバを区別するのか?

前に、「大阪府立博物館と橋下知事 - ebikusuの博物誌」のところで少し参照した「ミュージアムの小径」というブログで、「水族館教育の到達点(あるいはアジ・サバ問題)」という記事があった。アジとサバの区別のことからはじまって、、“成人に対する博物館…

ワッハ上方

3月1日に大阪へ行くことがあったので、「ワッハ上方」へ行って来た。この博物館については、大阪府の橋下知事の就任以来、博物館の見直し政策の標的になって来たことで、ちょうど1年前くらいにはずいぶん話題になった。「責任者出て来い!」という話 - eb…

日本の原風景と季節

徳島県立博物館へ行った日に、その下の会場(二十一世紀館というらしい)で、「日本の原風景と季節」という展覧会をやっていた。放送大学附属図書館所蔵コレクション展ということらしいのだが、古写真とちりめん本の展示がされていた。ちりめん本というのは…

徳島県立博物館

先日の12月12日に、徳島へ行くことがあったので、ついでに徳島県立博物館へ行ってきた。「文化の森」という場所の一角を占めていて、徳島県の規模からすれば、かなり大きな博物館に思えた。開館は1990年とのことだから、ちょうどバブル時代の頃の設計なのだ…

大阪府立弥生文化博物館の「鉄道発掘物語」

「一本足の蛸」というブログで、弥生博物館の夏季企画展に「鉄道発掘物語」というものが行われていることを知った。和歌山電鉄のことを展示に取り上げることについて、以下のように書かれているが、まったく同感である。 言うまでもなく、大阪府下の鉄道では…

イルカショーはサーカス

ある水族館関係者と話していて、「イルカショーはサーカスだ」という説明に、ひどく同感したので、このことの意味について少し考えてみたい。かねてより、水族館のイルカショーについて、不思議に思っていた。クジラ類に思い入れの強いグリーンピースならず…

ダーウィン展

先の週末(8月17日)に大阪自然史博物館でやっているダーウィン展に行って来た。なによりも驚いたことは、入場者数の多さだった。9時30分の開場前に行ったのだが、その時点で入場待ちの人が何十人かはいて、さらに入り口のところには、行列用にコーンの通…

博物館とレプリカ3:飲食店の食品見本

この前の日曜日に、NHK の「ルソンの壺」という番組をたまたま見ていたら、「いわさき」という飲食店用の食品見本の製作会社が紹介されていた。これはまさに、先に「博物館とレプリカ2:いろいろなレプリカ - ebikusuの博物誌」で触れた、いろいろなレプリ…

坪井清足さんと大阪府博物館

先週末の朝日新聞で、考古学者の坪井清足さんが大阪府の博物館について語っているインタービュー記事が載っていた。ネットで検索してみたのだが見つからないので、紙面でしか読めないようだ。それで、ブログなどで触れられているのも、ごくわずかのようだ。…

13歳のハローワーク2:オーケストラ団員

先に述べた「13歳のハローワーク」のサイトに、オーケストラ団員という文章がある。 交響楽団に所属するクラシック演奏家のこと。ただし、交響楽団はそれほど多くの楽団員を募集しているわけではなく、たとえ音楽大学を出ても、交響楽団に入るのは簡単ではな…

大阪ミュージアム構想3

たまたま「大阪ミュージアム構想」で検索をかけていたら、大阪府のメールマガジンで、大阪ミュージアムの構想を書いているものが見つかった。 今日の記者会見で、「大阪ミュージアム構想」について話をしました。今、大阪 に必要なものは、“まちの空気感”“ま…