秋津野みかん資料館

田辺市秋津野ガルテンにある「秋津野みかん教室『からたち』」に行って来た。秋津野ガルテンは、古い木造校舎を再活用した施設で、レストランや体験教室や宿泊施設などをやっている。レストランは、地元農家からの野菜を中心としたバイキング料理で、何度か行ったことがある。そこに、みかんの資料室が出来たというので、ミカンが大好きな者としては、ぜひ見てみたいと思っていた。







展示の内容は、この地域のミカンについての説明だったが、予想していた以上に見ごたえがあった。なによりも、そこで収穫された実物のミカンが並べてあったり、古い教室で黒板を使った説明など、手作り感いっぱいのものだった。

説明は、その地域で栽培されている80種ほどのミカンについて、収穫時期の順番に並べられていた。そのうちのどれを食べたことがあるか確認していったり、品種の由来などの説明を読んだりして、大いに参考になった。カゴに盛られたミカンの名前当てゲームなどは、これだけの実物が揃えられるここでしか出来ないものだろう。またこの地域のミカン栽培の歴史や、南方熊楠の安藤ミカンを栽培する経緯など、自分たちの歴史をきちんとまとめられていた。

このような展示室をつくるときに、展示業者に丸投げしたようなところもよくあるのだが、ここのものは、古い道具や古い資料に新聞の切り抜きなど、自分たちで収集したものを展示しているようで、非常に好感が持てた。見せ方や展示のやり方に、さらに工夫が必要かもしれないが、随時改善や充実していくものと期待している。

少しマニアックなところはあるが、見せたいもの、伝えたいものを持った人たちによる展示室で、非常にいいものを見せてもらった気分になれた見学だった。