京都梅小路の水族館2

先に「京都梅小路の水族館1」で書いたことや、インターネット上の情報をすりあわせて行くと、この水族館の計画は、いかにも不気味なものに思えてくる。実際のところ「梅小路 水族館」で検索してみると、反対意見がズラリと並んで出てくる。そんな中で、着工だけが決まって、2012年の開業に向かって粛々と進んで行っているようである。


最初の計画としては、「(仮称)京都水族館の事業運営についての考え方 オリックス不動産株式会社 (PDF)」というものが、京都市役所のサイトにある。読んでみると、中身のないきれいごとの言葉が見事に羅列されている。しかも、いろいろな思惑が透けて見えるようで、ツッコミどころ満載のものになっている。


いろいろな反対論については、以下のサイトが詳しいようだ。
声と風景:梅小路水族館をめぐって
私たちで創る京都 梅小路公園の水族館は京都に何をもたらすのか
京都水族館(仮称)と梅小路公園の未来を考える会


それで、さすがにまずいと思ったのか、専門家委員会なるものを立ち上げて、京都大学をはじめとする学者が集まって、いろいろな提言(PDF)をしたらしい。その結果、多少の計画の変更もあったらしい。

その提言を読んでみると、いろいろなアイデアや理念が提起されていて、最初の計画からみれば、大幅な改善案になっているようだ。もしも、この専門家委員会と、運営の側の京都市オリックス新江ノ島水族館などが、うまくかみ合って進んで行くのなら、京都らしい水族館になるのではとの期待も抱かせてくれる。

その一方で、その提言がどこまで実現されるかどうかは、運営側の姿勢にかかっているだろう。いくら厳しい意見を述べてもらったとしても、実行されなければなんにもならない。あるいは、どこまで見直しを認めさせるかで、専門家委員会の影響力が試されることにもなるだろう。実際のところ、既に大枠の計画が決まってしまっている中での改善策では、実現できることも限られてくるだろう。結局のところ、意見は述べたものの、強制力もないままに、ガス抜きの役割を果たしただけで終わるのではないかとも危惧される。


そんなことを考えながら、関係者それぞれの今後の対応に注目していきたい。

(続く)