博物館

大阪府立博物館と橋下知事5:このところの橋下知事の動向

橋下知事のことでいちいち反論するのも、そろそろバカらしくなってきたのだが、最近のことで少し感想を。『府内の名所を芸術作品に見立てて、府を一つの博物館としてアピールする「大阪ミュージアム構想」の推進に2200万円を支出』するらしい。一方で、…

大阪ミュージアム構想2

橋下知事が、千早赤坂村の棚田を訪れたらしい。先に、「まずは現地へ行って、眺めてみるべきだ」と述べたことからすれば、なかなか好ましいものと思ったのだが、その日程をよく調べてみると、なんのことはない、たかだか20分ほどで周囲を一瞥したのに過ぎ…

大阪ミュージアム構想

橋下知事がやることなすことなんでも反論を述べたくなるのだが、大阪ミュージアム構想で、大阪府全体を博物館と見立てることは、悪くはないと思う。ただし、ライトアップすることではなくて、多くの名所の価値を再認識することである。新聞で挙がっていたの…

大阪府立博物館と橋下知事4

橋下知事のプロジェクトチームが出した案について、教育委員会と改革プロジェクトチームが、5月1日に議論をしているのだが、その概要が先週になってやっとネットに公開されていた。 全体としては、学校などの教育現場の話が多いので、博物館等に関わる話は…

泉州ミュージアム・ネットワークガイド

先日、和歌山県立博物館に行ったときに、「泉州ミュージアム・ネットワークガイド」が新しくなっていたのをもらってきた。以前のパンフレットのときには39施設の収録だったものが、今回は48施設に増えている(泉州ニュース -泉州ドットコム- 泉州ミュー…

和歌山県立博物館:常設展

和歌山県立博物館へは何度も行っているが、あまり常設展を見たという記憶がない。特別展をやっているときに行くことが多いので、そのときには片付けているらしい。今回は特別展でも規模が小さいのか、大部分がそのまま展示されていた。和歌山県の歴史に一通…

和歌山県立博物館:田辺・高山寺の文化財

先に「博物館へ行こう」と提案したこともあって、ゴールデンウィーク中の5月6日に、和歌山県立博物館へ行ってきた。たまたま博物館の前を通りがかったら、「田辺・高山寺の文化財」という特別展をやっていることに惹かれたこともある。高山寺には何度か行…

橋下知事に図書館のことを訊ねてみよう

橋下知事が「図書館以外の府立施設は不要」と言ったことで、そのような横暴から博物館を守らなければならないと思って、このブログでも何度も取り上げて来た。しかし、考えてみれば、逆に「なぜ図書館は必要なのか?」と問うてみるべきだった。きっと、橋下…

博物館学

レプリカやジオラマのことを考えるために、博物館学のことを検索していたら、「常磐大学 博物館学博物館」というサイトに出会った。実際に、そういう博物館があって、以下のような展示をしているそうだ。 1.個体展示 〜特別資料展示コーナー〜 2.ジオラマ 〜…

大阪府立博物館と橋下知事3:そうだ、博物館へ行こう!

想像するに、橋下知事は、博物館へ行ったことがないのではないか? あるいは博物館ですばらしい感動をしたことがないのではないか。図書館だけ例外としたのは、受験勉強でもするのに利用したことがあるのだろうか。強制されて勉強することはあっても、自分か…

大阪府立博物館と橋下知事2

橋下知事と大阪府の博物館ということで、大阪府/財政再建プログラム試案というものが出ている。ネットで公開されているので、そこの「公の施設 PDF (375KB)」というものを印刷して眺めてみた。 知事直属のプロジェクトチームなるものが鳴り物入りで作成した…

生態展示

ジオラマによる生態系の再現について考えていたら、「asahi.com:地元の自然、動物園・水族館で展示 環境考える契機に」という記事が目についた。 全国の動物園や水族館が、地元の自然の生態系を再現する展示に力を入れている。動物の生き生きした姿を際だた…

大阪府立博物館の責任者?

大阪府立の博物館を批判することで、橋下知事と同じようには見られたくないのだが、今ある大阪府立の博物館のいくつかについて、誰がどのようにしてあのような施設をつくったのかずっと気になっている。たまたま見つけたホームページで、そこに掲載されてい…

滋賀県の博物館行政

先に書いた「大阪府立博物館と橋下知事」という記事にいただいたコメントに、滋賀県の琵琶湖文化館の休館のことがあったので、滋賀県の博物館のことについて、少しネットで調べてみた。よく事情がわからないところもあるのだが、今の時点で思っていることを…

博物館とレプリカ2:いろいろなレプリカ

先に、海洋堂のフィギュアと博物館のレプリカを対比したが、いろいろなレプリカ(模造品)について考えてみたい。そんなことを考えていたら、先の記事の翌日(3/20)のニュースで、法隆寺の「秘宝展」があるということで、玉虫厨子のレプリカのことが報じら…

「責任者出て来い!」という話

橋下大阪府知事が、府立施設へ行って、マスコミ受けする話をするたびに、「そうではないだろう」、そんな末端の公務員の揚げ足をとることより、もっと根本の責任者を問い詰めろよと思って来た。博物館で言うならば、その博物館の構想を決めた人間は誰なのか…

博物館とレプリカ1

レプリカのことで、いろいろ書いたので、ネットの情報も少し調べてみた。博物館学などという学問があって、今どきの大学生は、学芸員の資格をとるときに講義も受けるそうだから、このようなレプリカの意義などといったことも触れられているのかも知れないが…

レプリカの意義

たまたま近くの図書館で、『標本の作り方―自然を記録に残そう (大阪市立自然史博物館叢書 2)』という本を見ていたら、「レプリカの意義」というコラム(p46)があった。その中で、 博物館で実物でなくレプリカを展示していることが多いわけが、おわかりいた…

大阪府立博物館と橋下知事

前に「大阪府立の博物館は、ちょっと変だぞ」という記事を書いたこともあって、このところの橋下大阪府知事の補助金削減の話の中で、「図書館以外の府立施設はすべて見直し」という発言は、かなり気になっている。いかにもバブリーでハコモノだけの博物館に…

自然博物館における標本の意義:タイプ標本

タイプ標本は、新種を発表するときに基づいたものであり、その永久保存が国際的な命名規約に定めてあるから、国際的にも科学的にも文句なしに重要な標本と見なされている。しかし、命名規約自体は、法律の条文集のようなものであり、少々読んだくらいでは歯…

きしわだ自然資料館

標本について考えていて、きしわだ自然資料館の3階の剥製の展示を思い出した。見に行ったのが数年前なのだが、今でも続いているのだろうか。ここの剥製は、あるコレクターが集めたものを、市が引き受けたらしい。剥製の寄贈を受けるに当たって、いろいろな…

自然博物館における標本の意義

この文章は、先の和歌山県立博物館の特別展解説書を読んでいて考えたことであり、標本に対する私的なメモである。このことは、以前に述べた「本物とはどのようなものか 」「なぜ本物を展示するのか:反「レプリカ礼賛」 」にも通じることでもある。自然博物…

和歌山県立自然博物館

和歌山県立自然博物館で「サンゴやクラゲのふしぎ大発見」という特別展を見て来ました。 とにかく盛り沢山の展示で、サンゴやクラゲなどの腔腸動物(刺胞動物+有櫛動物)のあらゆる分類群について網羅されていて、標本および生き物の両方について、これでも…

大阪府立花の文化園

昨日「大阪みどりの百選」のことを調べていたら、河内長野にある「花の文化園」が大阪府立であることを知った。前に「大阪府立の博物館は、ちょっと変だぞ」という文章を書いたが、またしても大阪府立である。「花の文化園」という名前に引っぱられて、植物…

大阪府立の博物館は、ちょっと変だぞ

博物館のことをいっぱい書いたので、勢いで、日頃思っている大阪府立の博物館への文句を少しばかり書いてみたい。(以下のことは、個別の博物館に働いている人に対する文句ではなく、博物館の構想をつくった人たちへの批判です。念のため。) 先に触れた「レ…

本物とはどのようなものか

博物館は本物を展示するものだということから、本物とはどのようなものかについて考えてみた。 本物とは「唯一無二」のものだ、というのが、ここでの私の主張である。このことは、今のところ、私の思い込みだから、誰も賛同してくれないかも知れないが、この…

水族館は博物館

水族館を博物館と類別することに、どのように思われるだろうか。水族館の中には、博物館相当施設だと威張っている?ところもあるが、博物館相当施設というのは、単に文科省が法律かなにかで指定しているだけのことである。むしろ、生物を展示するからこそ、…

エビカニ水族館

少しは時間があったので、帰り道に、エビカニ水族館も訪れた。夕方間近だったので、他には訪問者もなく、建物の老朽化と周りにいる多数の猫と合わせて、なんとなく廃墟めいた印象を感じてしまうのだが、中の展示は、充分に意欲的なものだった。 以前に見たと…

串本海中公園水族館

先週末に、串本方面へ行ったついでに、串本海中公園とすさみのエビカニ水族館を訪れた。目的は、海中公園で改装されたサンゴの水槽と、ウミガメ展だった。 入り口のサンゴの水槽は、以前のものに比べて、岩組みがコンパクトになって、すっきりした感じ。ただ…

なぜ本物を展示するのか:反「レプリカ礼賛」

先に紹介した「泉州ミュージアムネットワーク」に「かわら版こらむ」というのがあって、「レプリカ礼讃・レプリカのすすめ」という記事が載っています。たぶん、このコラムは、私が初めて見て以来、まったく変更がされていないので、次に書く人がいないので…