大阪府立博物館と橋下知事

前に「大阪府立の博物館は、ちょっと変だぞ」という記事を書いたこともあって、このところの橋下大阪府知事補助金削減の話の中で、「図書館以外の府立施設はすべて見直し」という発言は、かなり気になっている。

いかにもバブリーでハコモノだけの博物館に対して批判はしたが、橋下知事の言っているようなトップダウンな処理を望んだわけではない。「橋下 博物館」で検索してみるだけでも、博物館関係者の混乱が、聞こえて来る。最初、ここの「ミュージアムの小径」で、この問題に気がついた。

そもそも、図書館は除外して、それ以外はダメだという理屈に、まったく根拠がない。なぜ図書館は良くて、他は十把一絡げなのか、説明もなにもないようでは、単なる独裁者だろう。

もちろん、博物館によっては、無駄なところにお金を使っているところもあるだろうが、それを見直すのは、このようなやり方ではないはずだ。今のところしわ寄せが来ているのが、現場の学芸員の人が地道に続けて来ていた特別展などの催し物だとしたら、ほんのわずかのお金を惜しんだために、これまでの良き流れを破壊しているようなものだろう。

今のところは、選挙での得票数と改革を望む声をバックにして言いたい放題なのかも知れないが、あの知事の言動には、常に監視の目を向けていかなければならない。

そして、博物館の人たちには、大変だろうとは思いますが、こんなときこそ各博物館の理想の姿を考えていってもらいたいと思います。