大阪ミュージアム構想2

橋下知事が、千早赤坂村の棚田を訪れたらしい。先に、「まずは現地へ行って、眺めてみるべきだ」と述べたことからすれば、なかなか好ましいものと思ったのだが、その日程をよく調べてみると、なんのことはない、たかだか20分ほどで周囲を一瞥したのに過ぎない。これでは、棚田の魅力のほんの一部しか理解できないだろう。『「素晴らしい。世界に発信していきたい」と感動した様子だった。』らしいが、そんななまじな体験を語ってみても、上っすべりのものにしかならないだろう。

この棚田を訪れたことはないのだが、棚田に関するニュースに関心をもっていれば、その棚田がどのような歴史的な背景を持っていて、どのように維持されているかなど、知りたいことはいっぱい出てくるはずだ。なによりも、実際に棚田を歩いて、そこの自然に触れて、関係者と話をしてみないことには、なんにも実態を知ったことにはならないだろう。単なる通過者として、景色を眺めただけで終わっている。

これで、御堂筋のときの発想で、ここもライトアップをするのだとしたら、悪い冗談に思えてくる。そろそろ大阪府民は、こいつに文化のことを語らせるのは無理だ!と断定するべきだろう。この程度の理解力や感性で、博物館のことや文化のことを決定して欲しくはない。