ビオトープ孟子

6月26日に、ビオトープ孟子和歌山県海南市)へ行って来た。平日の昼間だったので、私たち以外は、ビオトープの関係者?が農作業をされているだけだったが、静かな里山の自然や、すぐ近くにある「孟子不動尊」まで参拝して、一緒に行った妻やその母も大満足だった。

行く前には、ビオトープの名称から、人工的な池でもあって、なんらかの展示がされているものを想像していたのだが、実際には、想像よりもはるかに自然のままという感じだった。駐車場に車を停めてから、ビオトープはどこにあるのか?と思うほど、ゆったりと農道を歩いて、さらに谷筋の放置田を眺めながら、道にはカエルやヘビなどもいて、ちょっとしたハイキング気分であった。

施設には誰もいなかったので、展示施設の中には入れなかったのだが、ドア越しに昆虫の標本や農作業用の牛の剥製?などが見えた。建物なども、プレハブやログハウスなどで、いかにも手作りの感じがしたし、犬2匹が番をしていたり、豚も飼われていたりした。立派な炭焼き窯は、体験学習にも使われるのだろう。





すぐ隣の孟子不動尊もなかなか立派なもので、滝などはいかにも神々しい気持ちにさせてくれるもので、このような場所だからこそ、山の中に埋もれさせてしまうには惜しいものとして、ビオトープなどで活用しようという機運も盛り上がったのだろう。


帰ってからホームページを眺めてみると、いろいろ試行錯誤をしながら進んで来た経緯がよくわかる。1998年にトンボ池を作ったことから始まるそうだから、10年以上が経過したことになる。その間に、いろいろな補助金などももらいながら、少しずつ設備を整えて来たようだ。ホームページに未完成の部分があったりするのも、当初に打ち上げた構想の内、実現したものもあれば、そうでない部分もあるのだろう。ビオトープや体験学習などというものについて、必ずしも良い印象ばかりを持っているわけではないのだが、このビオトープについては、関係者の熱意が伝わってくるように思う。


ホームページの「孟子里山情報」には、会の方がそこを訪れた情報を書かれていて、一週間ほど前の記事から、私たちが見た花の名前なども確認することが出来た(下の植物はハンゲショウだろう)。


和歌山市という大都市のすぐ近くで、このような丸ごとの自然を残していくことはすばらしいことだと思う。「里山の定義」という記事では、単なる流行の言葉ではなく、里山に対するしっかりとした考え方が書いてあって、非常に勉強になった。手作りの運動だろうから、運動の活性の維持や後継者の問題など大変だと想像するが、今のペースで着実に発展していくことを願うとともに、今後の活動にも注目して行きたい。