百種到達

昨日のベニシジミとナガメで、路傍百種の自宅編は100種になった。前回50種になったのは、昨年の10月下旬で、始めたのが9月の初めだったから、今回の50種は、かなりペースダウンしたことになる。冬の間、生物の活動が活発でなかったこともあるし、夜明けが遅くて、通勤前の時間に手頃な写真が撮れなかったこともある。これからは、春から秋までの生物を拾い上げていけば、狭い我が家の庭であっても、必ずや次の百種も越えるものと確信している。

その内訳については、追々と分析していきたいと思うが、一応、毎回数えている項目では、植物が67種、動物が33種(昆虫30種、甲殻類1種、クモ2種)で、ちょうど植物が3分の2で、動物が3分の1ということになる。前半では、動物と植物が同じくらいだったのだが、冬が近くなると、どうしても植物が多くなった。生き物全体で百種になったので、次は植物で百種、昆虫で百種なども目指していきたい。

このブログに書くまで名前を知らなかったり、自信がなかったりしたものが52種で、半分以上になる。植物図鑑や昆虫図鑑を持っている訳ではないので、同定が出来たのはネットの時代のおかげということになる。写真が標本のサンプリングのようなもので、その写真を見ながら、インターネットのサイトを見たり、いろいろなことを考える。一枚の写真で必ずしも同定出来るわけではないが、デジカメなのでフィルム代なども気にする必要もない。ネット上には、いくらでも上手な写真が転がっているから、その写真から何を考えたかが重要であると思っている。

個人の庭で、極めて個人的な観察であることが、むしろ意味のある情報になる、と思って書いている。もちろん、インターネットのいろいろなサイトの情報も引用させてもらってはいるが、自分なりに(勝手な?)解釈をして書いているつもりである。今の家に住み始めて3年近くの間に、どのように生物が変遷してきたかについて、記録に残すことにもなっているようだ。この3年間に、土地全体について、耕したり、肥料を入れたり、草を抜いたり、植物を植えたりしてしてきた。さらに、鳥や風が種子を運んできたりもしただろう。そのようなヒトと自然の相互作用の総体が、これまでに取り上げた百種の挙動にも現れていることだろう。百種という数自体には大した意味がないが、個々の百種を通していろいろなことを見て、考えてきた。

個別的なもの・ことへのこだわりが、このブログのテーマでもある。それは、言葉のことでも、博物館の標本でも、歴史でも、生物のことでも、あらゆる博物誌に通じるものだと思っている。そのことは、路傍百種を書くことによって、さらに強く意識するようになった。