ハルジオン、ペラペラヨメナ

前回のヒメマルカツオブシムシは、先月末から今月にかけて、かなり目立つようになってきて、白い花などでは、ごま粒をまぶしたように付いていることがあった。今回は、その白い花の例として、ハルジオンを取り上げる。



(2012/05/04 撮影)

(2012/05/12 撮影)

我が家の庭では、私たちが住み始めた頃から、ヒメジョオンはそこら中に咲いていたが、ハルジオンは見たことがなかった。昨年の秋から、いかにも園芸植物のような株がいくつか見られるので、大事そうに抜かずにおいていたら、それがハルジオンだった。

いつもの植物雑学事典では、ヒメジョオンとの区別点として、「花やつぼみが頭を垂れやすい点、茎が中空である点」や、花の時期が早いこと、花の色が淡紅色を帯びるものがあることなどが挙げられているが、実物で確認してみると、なるほどと思える。もうすぐヒメジョオンも咲き始めそうなので、両者が同時に咲いてくれれば、花の大きさの違いも実感できるだろう。

この文章を書き始めるまでは、ヒメジョオンにつられて、“ハルジョオン”だと思っていた。ところが、春紫苑に姫女苑なのだという。まあどっちしても適当に当てはめたものだろうから、どちらでもいいとは思うが、一応は従っておく。

学名の方は、Erigeron philadelphicus L.で、その属名の意味は「eri(早い)+ geron(老人)から、早く咲き(春の花)、白い軟毛で覆われた花」という意味らしい。

国立環境研究所の侵入生物データベースによれば、ヒメジョオンもハルジオンも要注意外来生物ということになっている。前に、ナガミヒナゲシのところで、要注意外来生物にも特定外来生物にも指定されていないが、特定外来生物にも匹敵するようなものだとの指摘があったので、我が家の庭では種子を実らさないようにすることにした。ところが、改めてこのリストを眺めて見ると、我が家の庭には、既に15種程度の要注意外来生物がはびこっている。これを根こそぎ駆除することはとてもできないので、これらは出来るだけ減らすような方向で行きながら、推移を見守りたい。

それにしても、国立環境研究所が作ったにしては、そこに載っている学名 Erigeron phiadephicus にしろ、英名 Phyladelphia fleabane にしろ、綴りがメチャクチャですな。ちなみに、fleabane とはノミ除け草らしい。(2012/05/25 追記:コメント欄にあるように、このサイトの綴りのミスは既に修正されているようだ。別に揚げ足取りをするつもりはなかったので、この段落は消してしまってもいいと思ったのだが、念のためにミススペルの学名で検索してみると、一般の人のブログや県レベルでのリストなどでも、このミススペルが引き継がれている。コメント欄とも関連するので、一応の経緯を示すものとして、残しておく。)

(2012/06/05 追記):5月末あたりから、ヒメジョオンが咲き始めた。ハルジオンと並べて花の大きさを比較をしようと思っていたら、その頃にはハルジオンの花の時期がほぼ終わっていてしおれ始めていた。今年の我が家に関する限り、花の時期は、ほとんど重なることなくズレているようであった。



(2012/05/26 撮影)




Erigeron の学名をたどっていると、ペラペラヨメナErigeron karvinskianus)という植物名を見つけた。



(2012/05/12 撮影)

この植物は、何年か前に妻が実家から持って来たもので、例によって、栽培植物だということで、ほとんど注意を払って来なかった。赤と白の花が混じることから、ゲンペイコギク(源平小菊)などとも呼ばれるらしいが、花も小さくて、ヒメジョオンの方がよく目立っていると思ったりもした。

我が家の庭で一番過酷な環境にある道路沿いの花壇(夏場に乾燥する)で、何年も続いて生えていることからして、かなり強い植物であると思われる。要注意外来生物ではないが、国立環境研究所の侵入生物にリストアップされているのも納得できる。