ヘクソカズラ

ヘクソカズラは、以前から知っている植物なのだが、わが家に生えているのは、妻に言われるまで気がつかなかった。



(2012/09/09 撮影)

いつもは、私が見つけた植物を妻が気づいていないときに、「お前の目は節穴か」とエラそうに言っているので、今回は「私の目が節穴」でした。これが生えている場所は、庭の奥の方のクロマツのところだった。このクロマツの周辺は、枝が伸びて、他の草も伸びていて、毎朝の生物探索のコースからは外れていたようだ。


いつもの植物雑学事典をみると、花の構造は、けっこう複雑なようだ。それで、ひとまず解剖の真似事ということで、花を切り開いたのが以下のもの。



(2012/09/09 撮影)

「雌しべは根本から2本に分かれ、柱頭は花筒から出るが、雄しべは筒内部に付着した形となっている」らしい。雄しべがよくわからないので、さらにいくつかの花を解剖してみると、このページにあるような「5個の葯と2本のひものような花柱」らしきものが確認できるが、手元に細かい解剖用具がないので、あまりうまく解剖できない。うまい写真が撮れれば、追記したい。


いつも勉強させてもらっている福岡教育大学このページによれば、ヘクソカズラのような「柱頭が突きだして、葯が奥にある例」では、訪花したポリネーターが柱頭→葯の順に接触するので、自家送粉が起こりにくいらしい。雌雄離熟[herkogamy] というらしい。

私が見た花では、柱頭が外に出ているものもあれば出ていないものもあったように思う。柱頭が外に出るタイミングと、葯が成熟するタイミングに、さらに蜜を出す場所などを組み合わせれば、さらに巧妙に自家受粉をしないように出来るのかも知れない。そんなことに注意しながら観察を深めて行きたい。

見つけることにかけては節穴だったが、しつこく考え続けて行こうと思っているので、いつまでも我が家に生え続けて欲しい植物である。