ツマアカベッコウ

このハチは、家の中に迷い込んで来ていたものを、妻が採集してくれた。これで「路傍百種」に一種が加わるだろう、ということらしい。それで部屋の中で撮影したら、意外と暗かったのか、ピンボケの写真ばかりだった。実物の方は逃がしてしまったので、マシな写真が撮れれば、また追記にでも掲げたい。



(2011/09/26 撮影)

この種類については、名前は知らなかったのだが、お尻の赤い模様が印象的で、かなり以前から認識はしていた。勤務先の敷地内で、アシダカグモを捕まえて、運んでいるのをよく見かけたことがある。だから、カリバチの仲間ということで、いつも同定のために利用している岐阜大学のサイトや、福光村昆虫記のサイトなどを見れば、簡単に同定できるものと思っていたら、意外なことに、それらしいものが載っていなかった。

結局、いろいろ検索の語句を替えて、「アシダカグモ、尻赤 カリバチ」など、いくつかの語句を入れてみて、やっとツマアカベッコウ(ツマアカコブベッコウ)にたどり着いた。
このサイトによれば、「熱帯性の大型のベッコウバチで,奄美大島が北限とされていたが,近年になって和歌山,大阪,岡山など生息が確認されており,分布域が拡大しつつあると考えられている.」とある。

私の記憶では、20年くらい前にも、このハチが狩りをしているところを見た記憶がある。たまたまある来客者と、そのことが話題になったので覚えている。だから、私がそのような分布の拡大中のところを目撃したのかと、ちょっとワクワクした。ところが、これもまたシンクロニシティで、たまたま見ていた地元の自然を解説した本(1986年発行)で、「このハチは腹端の赤いのが特徴のツマアカベッコウバチという亜熱帯系の種で、こんな様子を手軽に観察できる所はめったにない。」という記述が載せられている。私の住んでいる地方では、ずっと以前から知られていたようだ。

「ハチの名は 妻が見つけたツマアカベッコウ」というのは、ちょっとこじつけではあるが、妻の採集をきっかけにいろいろな情報がつながることになった。