オオチョウバエ

小さな虫の中には、なんとなく姿は認識しているのだが、取り立てて観察もしないし、名前も知らないままで来ているものがある。このハート型をしている虫は、昔からトイレで見ていて、便所虫として認識していたように思う。



(2011/07/28 撮影)

写真は我が家のトイレの壁にいるものを撮った。いろいろな昆虫を同定するために、インターネットの写真を眺めていると、かねてから認識している「あれだ!」ということで、その証拠と正確な同定のために、いつかは写真を撮ってやろうと思っていたものだ。

オオチョウバエというらしい。フラッシュを焚いたので、影が写ったりしているが、翅を縁取りするように白い点があったり、真ん中に黒い点が2個付いていたり、大きな写真で見れば、それなりの特徴はよくわかる。学名の Clogmia albipunctatus (Williston, 1893)の種小名は、まさに白い斑点のあるということだろう。

この虫をインターネットで検索すると、消毒会社や防除関連のサイトに行きつく。特に便所ということだけでなく、いろいろな排水管に住むらしいから、我が家でも風呂の窓際で多数の個体が死んでいることもよくあるように思う。あらゆる排水口の部分が、この虫にとってはねらい目らしい。それで、都会の中の虫がまったくいないところに跳び回っていたら、不快昆虫として排除されるのだろう。

さらにこの種類は、「我が家の庭の生き物たち (都内の小さな庭で)」というブログによれば、「1962年に神奈川県で初めて見いだされた外来種」らしい。そのブログでも書かれているが、この虫が外来種であることには、ちょっと意外な感じがする。

おそらく子供の頃から、水洗便所になる前のトイレにもいたような記憶があるからだろう。それでも、ある時期に一気に増えたのだろうか。近代的な家になっても、水を流す排水口は残るから、住み場所にはむしろ困らなかったのだろう。

初めて発見された経緯や、その後広がって行った過程について、どれだけわかっているのか知りたいと思ったが、今のところは、インターネットで適当の情報に行き当たっていない。そのうちにわかれば、また書き足したい。