アオマツムシ

このところ、アカメガシワから見つかった虫が続いている。ひとつの虫が見つかると、しばらくは注目するので、そこから他のものも目につくようになるのだろう。




(2013/09/10 撮影)

このような青いバッタは、これまでにもいくつかの種類を同定してきたから、他のバッタに比べて、背腹が押し付けられたように平べったくなっているものは、ネットの写真で、何度も見た記憶がある。その実物についに出会えたという気持ちで写真に撮った。

いつもの「福光村昆虫記」で、アオマツムシに行き着く。翅にシワがないし、尾部に産卵管が伸びているから、メスということになるのだろう。


この虫のことを調べていると、明治時代に中国大陸から来た外来種らしい。しかし、原産地はよくわからないらしい。Wikipedia のアオマツムシの記述では、「タイプ標本云々」のことが書いてあって、よく理解できないところもあるのだが、学名が Truljalia hibinonis (Matsumura, 1919) ということだから、日本人の松村松年によって最初に記載されたのだろう。種小名は、発見者の日比野信一にちなんだものらしい。だから、おそらくは日本産の標本に基づいて、模式産地は日本ということになるのではないか? あるいは松村は中国の標本も同時に見たのだろうか?


いずれにしても、まず東京周辺で局地的に見つかって、だんだん西の方へ広がって来たらしい。私の住んでいる地方では、1980年代の終わり頃に見つかったという記録があるらしい。それでも、国道沿いの街路樹に沿って広がったというから、私が住んでいる住宅街に入り込んだのは、この20年間ほどのことになるのだろう。空白の地域に、どのように入り込んで行ったか、けっこう注目されて調べられて来たようだ。おそらく、これまでにそのような文章を読んだかも知れないのだが、我が家に出現することがなければ、身近な問題として興味を持つこともなかっただろう。今後は、そのような記録にも注目して行きたい。