ベニモンアオリンガ

昨日のキアシキンシギアブに続いて、畑のジャガイモの葉っぱに止まっていた虫を取り上げる。畑のジャガイモの葉っぱが青い絨毯のようになっていて、虫にとっては、止まるのに適した場所らしい。観察する側にとっても、見つけやすい場所で、朝の観察時のチェックポイントになっている。



(2012/04/23 撮影)

この虫は、最初見つけたときには、体型からヨコバイかアオバハゴロモのように思えた。写真に撮ってみると、ガだった。

岐阜大学のページの「ガのなかま(蛾類)」の科の一覧から、それらしき科をしらみ潰しに開けて行って、コブガ科のベニモンアオリンガに全体的な特徴は似ているようだった。赤い紋がないようだが、名前からして、きっと赤い紋があるものもいるに違いないと思った。それで、「みんなで作る日本産蛾類図鑑V2」のベニモンアオリンガを見ると、見事にピッタリするものに行き着いた。

幼虫の食草はツツジ類ということで、我が家の庭にも生えている。


(2012/04/29 追記):上のガの配色はなにかに似ているなあと思っていたら、ピカチュウだった。ピカチュウウミウシというものがあるのだから、ピカチュウ蛾、あるいはピカチュウモスなどとすれば、注目を集めるだろうか。ただし、私はピカチュウのことは、なんにも知りません。こういう配色が、なぜ印象に残るのか、興味を持ったまでです。



(2012/06/21 追記):紅紋のないものが見つかったので掲げる。



(2012/06/13 撮影)

この個体は、センダンの葉っぱにとまっていた。何個体かが飛び出したのだが、その状況は、いかにもアオバハゴロモとそっくりなように思えた。

こうなってくると、なぜアオバハゴロモと似ているのかが気になってくる。アオバハゴロモが食べられにくい物質を持っているのかと、「アオバハゴロモ 毒」で検索してみても、それらしい記述は見つからない。むしろ、ニホンザルがアオバハゴロモを捕食しているという記述もある。それで、「アオバハゴロモ 擬態」で検索すると、どうやら、アオバハゴロモが樹木の新芽に似ているということらしい。以上の説明で一応は納得はするのだが、それにしても、この両者はよく似ている!


新芽に化けるのがわかってみると、ベニモンアオリンガで、紅紋が出るか出ないかも説明が出来るような気がする。おそらく、化けようとする枝で、どのような新芽が付いているかに依るのでないか。花芽などでは、赤い紋も意味があるのだろう。