ミイデラゴミムシ

この虫は、イチゴを植えているプランターを動かしたら、その下から出てきた。模様が特徴的だから、同定できそうな種類が見つかったものと、喜んで写真に撮った。




(2013/05/12 撮影)

なんとなくゴミムシの仲間であることは想像がつく。それに翅の部分に黄色い斑紋があるし、顔も特徴的である。それで、いつもの岐阜大学のページ福光村昆虫記のページを見れば楽勝だと思ったのだが、翅に黄色い斑紋があるものは、アオゴミムシなどの仲間で見られるようだ。ところが顔の模様がぴったり一致しない。それに、斑紋の位置も上の写真に比べると後ろ寄りにあるようだ。


それで、だんだん自信がなくなってきて、ゴミムシ以外でも、似たような模様があるのかと探してみるが、ぴったりするものに出会えない。結局、私が持っている古い昆虫図鑑(学研の標準原色図鑑 1966)で、写真を順番に眺めて行って、ミイデラゴミムシにたどり着いた。

名前がわかってみると、このミイデラゴミムシは、Wikipedia の項目にも載っていて、ヘッピリムシの代表的なものらしい。岐阜大学の図鑑のページや福光村昆虫記などは、かなり種類を網羅しているものと思っていただけに、両方のページで同時に載っていなかったのは、不思議な気がする。

ヘッピリムシということで、ガスを噴出することについては、写真を撮るときにかなり追いかけ回したと思うのだが、幸か不幸か見られなかった。

上でイチゴのプランターを動かしたのは、プランターの下にナメクジが潜んでいて、夜な夜な出没して、イチゴをかじってくれるので、それをテデトールするためだった。この昆虫などが、ナメクジを食べてくれる(テンテキール)となると嬉しいのだが…。


久しぶりの名前談義も付け加えておきたい。ミイデラゴミムシということで、なぜ三井寺なのかと誰もが思うらしい。滋賀県立琵琶湖博物館の八尋克郎さんが、このことについて調べた論文を書いているそうで、こちらの梅谷献二さんの「虫の雑学」でも紹介されている。そのページを読んでもらえば、ほとんどのことが説明されているので、なにを書いてもその要約にしかならないのだが、そこに載っている三井寺の円満院の「放屁合戦」の図は、まさにこの虫と三井寺を結びつけるのに充分なのものだと納得できる。