オオモモブトスカシバ

このガは、見つけたときからちょっと尋常ではないものと思って、写真を撮った。



(2012/07/09 撮影)

毛の生えている翅と、生えていない翅があることから、未だ羽化の途中なのかと思ったりもした。体全体の形はスズメガのような感じであるから、以前に取り上げたオオスカシバの翅が透明になる途中なのかとも思った。しかし体全体の色はオオスカシバとは違うから、他のホウジャクの仲間なのかと、「スズメガ 羽化」などで見たりしたのだが、どうもピッタリするものに出会えなかった。それで、迷宮入りかと諦めかけていた。


それが、ときどき拝見している「虫つれづれ@対馬v2」というブログを順番に眺めていて、これだ!と思ったのが、オオモモブトスカシバの記事である。

オオモモブトスカシバという名前がわかってみると、いろいろなサイトに行き着ける。いつもの「みんなで作る日本産蛾類図鑑V2」では、翅を広げた標本写真が載っているが、そちらを先に見たとしても、とても生きているときのポーズに行き着けなかっただろう。

ところで、この種類の学名は Melittia sangaica nipponica Arita & Yata, 1987 で、オオモモブトスカシバ本土亜種 ということらしい。基亜種は、対馬石垣島、中国などにいるらしい。

ところで、Melittia という学名は、ミツバチに関連する意味だろう。そのことに気がついて、他のブログも読むと、このガは、クマバチやマルハナバチに擬態しているのだという。そういえば、この虫を最初に見つけた時には、派手なハチなのかと思ったのだった。それに飛び去って行ったのだから、ガの羽化したてのものではなかった。


同定にはかなり苦労したが、いろいろなことがつながって、すっきりと納得できた。