キイキリガイダマシ
秋が深まって、生き物の動きがあまり目立たなくなって来たので、化石でも取り上げる。
(2010/07/08 撮影)
(2011/11/22 撮影)
これらの化石は、我が家の庭から“出土”したものである。庭を掘り返していると、すぐに基盤の岩に行き当たる。これはおそらく、住宅地を造成する時に、斜面を削って、その上に少しばかりの土を入れて、区画を作ったからのようだ。その基盤の岩石は、周囲の地質図からすると、第三紀中新世の地層らしい。砂岩と泥岩が混じって出てくるから、これらが互層になっているのだろう。泥岩の方は、外に放置しておくと、ボロボロになって砕けてしまう。化石が入っているのは砂岩の方で、放置している石をたまたま見ていて、「おっ、化石」ということになる。
同定については、まったく自信はないのだが、私が住んでいるところからは、キイキリガイダマシ Turritella kiiensis という種類が見つかっているようだから、そのようにしておく。
細長い貝なので、タケノコガイの仲間をイメージしていたら、キリガイダマシ科というのはウミニナやカニモリガイの仲間に近いところに位置するらしい。それに、Turritella 属には現生のものもいるらしい。砂のところにいて懸濁物食者らしいから、これも砂岩中に含まれることと一致する。
我が家の庭で化石採集というのは、なかなか出来ることではないと思うので、他の化石が見つからないか今後も注目して行きたい。