カニクサ
我が家の庭に生えているシダ植物は多くない。日当たりがよすぎるのと、私達が住む以前は丁寧に草刈りがなされていて、イネ科の植物が優占していたからだろうか。その中で、唯一以前から生えていたシダが、以下のカニクサである。
(2011/11/21 撮影)
駐車スペースのところが、自然石の岩組になっていて、そこにツルのように伸びている。おそらく、前に住んでいた人が、そこの景観を作るために植えたか、他の植物といっしょに運ばれてきたものと思われる。
シダ植物については、ほとんど知識がないので、とっかかりとして、周辺の植物リストなどで、シダ植物として名前が挙がっているものに注目して、いつもの岡山理科大学の「植物雑学事典」のシダ植物一覧を参照しながら、決めて行った。
カニクサと名前がわかってみると、いろいろ興味深いことも、わかってくる。胞子嚢をつける葉っぱの部分とつかない部分に、分かれているらしい。それに、つる自体が、一枚の葉っぱが伸びたもので、葉の軸であるらしい。
つるということになると、以前に「フジの巻き方」で考えたように、右巻きか左巻きが気になってくる。先走って、ネットで調べてみると、カニクサの場合は、右巻き左巻きの両方があるらしい。
(2011/11/22 撮影)
それで、我が家のものはと改めて見てみると、木に巻いて、枯れているものが残っていた。これは、おそらくほかの草を刈るときに、その茎を切ったものと思われる。その巻き方は、右巻き(成長の方向を軸として、それを後から見たとき)だった。
もしも、巻き方が、遺伝的に決まっているのではなく、その場の環境条件によって決まるのだとすれば、岩場などを這い上がって行くときに、葉っぱの伸びやすい方向性などで、左右の平衡がくずれて、巻き方が決まってくるのかも知れない。
来年以降は、そんなことも観察して行きたい。