シルビアシジミ

昆虫の新しい図鑑が欲しくなって、「日本の昆虫1400」という図鑑を買った。その中で、たまたまヤマトシジミの辺りを見ていると、黒い点の配列による区別点が解説してあった。そのような区別点を意識したことはなかったので、今までどれもこれもヤマトシジミと見なしていたようだ。それで、改めて写真を撮ってみたら、いきなりシルビアシジミの写真が撮れた。



(シルビアシジミ 2013/07/27 撮影)

ヤマトシジミ 2013/07/27 撮影)

前にルリシジミのところでも触れたように、ヤマトシジミは翅の真ん中にある「へ」の字が明瞭で、それを弧状に点が取り巻いているのに対して、シルビアシジミは前の方の2点がずれた位置にあるようだ。


またヤマトシジミの幼虫がカタバミに付くのに対して、シルビアシジミミヤコグサなどのマメ科に付くらしい。我が家には、ミヤコグサ(今も少し花が咲いている)やシロツメクサなどはそれなりに生えているから、前からいたのに、ずっと混同していたのかも知れない。

このシルビアシジミについては、尊敬する動物学者でチョウ類収集家のUさんが、ヤマトシジミとの関連で話しておられたと思うのだが、ヤマトシジミと聞いて、汽水域にいるシジミ貝を思い浮かべるようでは、右から左へ抜けていたようだ。

それでも、これまでにシジミチョウとして、ウラギンシジミウラナミシジミクロマダラソテツシジミツバメシジミベニシジミヤマトシジミルリシジミの7種を確認している。以前は、シジミチョウが舞っていても、小さな紙切れのようなものが舞っているくらいにしか認識していなかったのだから、それなりに進歩したと思っている。

シジミチョウの写真を撮るためには、どこかに止まるのを、追いかけて行かなければならないのだが、また認識を新たに写真を撮って行きたい。



(2013/09/02 追記):上で述べたUさんに会うことがあって、本種の発見を話してみると、シルビアシジミは、私の住んでいる地方ではとびっきり珍しいものらしい。県のレッドデータブックでは、絶滅となっている。だから、採集地点の詳細を明かしたりすると、コレクターが押し寄せて来るだろうとのことだった。私の住んでいる住宅地は、海の近くの山の斜面が切り開かれたところで、食草であるミヤコグサが元々多かったのかも知れない。春の頃に、芝生にミヤコグサが広がっているのを、「黄色いジュウタン」だと喜んでいるのは我が家だけかと思っていたら、意外と多くの家や空き地で広がっているのが見られる。おそらく、適度に草刈りなどをして背丈の高い草が生えにくいことで、却ってミヤコグサが保たれ続けたようだ。帰化植物外来生物ばかりだと思っていた我が家の庭に、貴重な生物が見つかったというのも、なんとも不思議な気持ちである。