ヒメジャノメ

今朝、玄関のところで、ジャノメチョウを見つけた。前に見たヒメウラナミジャノメよりもずっと大きいので、新しい種類だと思って、止まったところを何度も追いかけながら写真に撮った。



(2013/07/17 撮影)

前にヒメウラナミジャノメを同定した経験もあってか、大きい目玉と小さい目玉が前翅と後翅にどのように配列しているか、いつもの〈福光村昆虫記〉で見ていくと、ヒメジャノメと同定できた。

「成虫は腐りかけた果実や樹液に集まる」とのことで、ちょうどムクゲの花がいっぱい咲いて、その後、しなびていたりするので、そこに集まって来たのだろうか。

前のヒメウラナミジャノメのときにも思ったことであるが、このジャノメチョウ類の目玉模様は、本当に興味を惹かれる。さらに、翅裏に白い帯が入っていて、独特の立体感や遠近感を与えているような気がする。


久しぶりの学名談義をやってみたい。Mycalesis gotama Moore, 1858という学名は、目玉が5つということでもなさそうで、やはり「ゴータマ・ブッダ」などに関係するように思える。命名者の Moore という名前は、以前にも参照したような印象があって、ブログ全体の検索をかけてみると、ルリタテハのところで、Kaniska 属の命名者で調べたことがあった。そのときには、Wikispecies で、生没年(13.V.1830 - 10.V.1907)と、English entomologist (Lepidoptera)と書いてあるだけの愛想のないものだったが、英語版の Frederic Moore を見ると、 東インド会社の博物館にいて、10巻にもなる Lepidoptera indica (1890–1913)の出版を始めた人らしい。

そこからの外部リンクで、Mycalesis gotama原記載にもたどり着ける(その論文の232ページあたり)。学名の語源などについては、特に書いていないようだが、前後に、同属の新種をいっぱい記載していて、それらの名前がインドに関係するような名前のようだから、多くの新種に次々とインド系(サンスクリット系?)の名前を付けていったということだろうか。