津之輝

津之輝は〈つのかがやき〉と読むらしい。地元の産直の店で初めて見たので買ってきた。4個入って260円だった。







(2013/03/24 撮影)

事前の知識もなしで、まずは食べてみたところでは、清見系の味に温州みかんの味で薄まったという印象で、清見を爽やかにした食感であった。清見から生まれた〈せとか〉を「ミカンのトロ」に喩えている販売サイトがあったが、それに比べるとあっさりしていて、トンボシビ(この地方ではビンナガマグロをこう呼ぶ)の風味みたいなものだと、妻が表現していた。たしかに、それぞれの持ち味がうまく対比されているように思える。

それで調べてみると、農研機構の果樹研究所のページによれば、(清見×興津早生)とを交配した品種に、さらにアンコールをかけ合わせたものらしい。清見が果汁が多くて食べにくいのを、温州ミカンのプリっとした感じで食べやすくなるようにすることを目指したのだろうか。そうすると、味が薄くなったので、またアンコールで味を濃くしたように思える。品種登録が2009年ということだから、まさに出始めの品種のようだ。

果実の“裏側”にへそのようなものがあったので、皮をむいてみると、ネーブルにあるような副次的な袋が付いていた。ネーブルと同様に、食べられるが、特に美味しいというものでもなかった。


津之輝と似た名前に、〈津之香:つのかおり〉という品種もあった。これは以前に食べたことがあるので、次に見かけたときには取り上げたいと思っている。これなどは、「つのか」だとてっきり思っていたから、今回のものも「つのき」だと思っていた。