春光柑

地元の産直の店で、また新たなミカンの品種を買って来た。この〈春光柑〉は、以前にも何度か食べたことがあるが、あっさりとした味で、少し物足りないということで、たまに気が向いたときに買う程度だった。今回は、少し大きめで3個入って300円で、このミカンにしてはかなり高いものを買ってきた。






(2013/03/17 撮影)

少し大きめとはいうものの、皮をむいてみると、一気に小さくなってしまう。味は、それなりに上品な甘さと香りがするのだが、最近の濃厚な味のミカンに慣れてしまっているので、やはり少し物足りない。

前に紹介した三宝柑などと同様に、オレンジ系の甘味の強い晩柑類がなかった時代に、夏みかんとは違って、うっすらと甘いものとして、好まれたのだろうか。


このミカンの品種の説明については、出典の根拠となるような公的なサイトが見つからなかったので、いろいろなサイトからの孫引きを書き並べる。春光柑という名前自体、新宮市出身の文豪佐藤春夫命名したものらしい。発見されたのは、明治40年頃、熊野市の湊谷蔵氏が新宮市の苗木屋から購入した温州みかんの苗木に混入していたものが広がったもので、当時、台木として使われていた文旦の実生苗だったらしい。皮の色といい、味といい、文旦系のものであることは、納得が行く。

前に訪れた秋津野みかん資料館でも、この春光柑の古い包み紙が保存されていた。昔は、上等なミカンは、硫酸紙?のような紙に包まれていたのだった。



(2013/01/26 撮影)