イヨカン(伊予柑)

近くのスーパーでイヨカンを買った。地元でも作っているようなのだが、今回は愛媛県産のものを買った。それでも4個入って 298円だった。





(2013/03/01 撮影)

最近はイヨカンを食べる機会が減っていたのだが、久しぶりに食べると、濃厚な味と香りに、果汁も多くて、美味しかった。写真に撮ってみると袋が並んでいる中心部(果心)が広く開いている。これもイヨカンの特徴らしい。


Wikipedia の〈イヨカン〉によれば、明治時代に山口県萩市で発見されたらしい。それが愛媛県で改良され普及したらしい。てっきり外国から導入されたものかと思っていた。

イヨカンとして出回りだしたのは40年近く前になるだろうか。松山に住むことになったときに、国鉄松山駅イヨカンを買って帰ったのを思い出す。当時は4個ぐらいがネットに入って500円くらいはしたと思う。たぶんそれ以前にも食べていたと思うが、イヨカンの本場らしく、実においしいものだと思った記憶がある。それでも、松山に住んでいるときには、イヨカンは高級な果物というイメージがあって、あまり手が出なかった。

その後、いろいろな晩柑類の品種が出てきて、そんなに高級なものという印象はなくなったが、果汁が多くて、食べにくい感じがして、あまり買ってみようという気にならなかった。それでも、お供え物のお下がりとか、出来の良いものを食べると、やはり初めて食べた頃の美味しさを思い出す。

最近は生産量が減少しているらしいが、一年に一度くらいは、こういうことを思い出しながら食べてみたい。



(2013/03/10 追記):ここで、イヨカンのことを調べ始めるまでは、宮内イヨカンと呼ばれているものが、てっきり松山市内の地名にちなんだものと思っていた(なまじ、松山に住んでいたこともあって)。それが、この品種の発見者である宮内義正氏にちなんだものであると知ったのは、この記事を書いた後になってからである。その辺りの経緯は、こちらの「愛媛のかんきつ農業に光をともした宮内義正の宮内イヨカン」という記事に詳しい。その宮内氏も、2011年に亡くなられているようだ。宮内イヨカンの名前は、こちらに出荷されているイヨカンにも付されている。この品種が生産され続ける限りは、受け継がれて行くことになるのだから、発見者冥利に尽きることだろう。