コウヤツリアブ

この虫は、ちょっと見慣れない黒いハチかアブとして、一瞬止まったところを写真に撮った。ところが、一枚写真を撮らせてくれただけで、どこかへ飛んで行ってしまった。



(2012/07/29 撮影)

写真が撮れたのは、上からの方向だけなのだが、翅の模様が特徴的なので、なんとか同定できるのではないかと思った。つまり、翅の前の部分が黒くて、後ろが透明になり、透明な部分に黒い2対の点が付いている。黒い部分にも白い点がある。

いつもの岐阜大学のサイトで、ハエ・アブ図鑑をニラんでいると、コウヤツリアブと似ているような気がする。

それで、コウヤツリアブの名前で画像検索をしてみると、さらにそれらしい画像にたどり着く。


名前からすると、高野山に関係があるのかと思ったりもしたが、「黒い体を 染物屋の 『 紺屋 』 に 例えた 名前」というなど、諸説あるらしい。さらに、ツリアブというのは、Wikipediaによれば、「ホバリングしながら空中に静止している様子が、吊下げられたように見えること」によるらしい。

ツリアブの幼虫は、ハキリバチ科・ドロバチ科・アナバチ科の幼虫に寄生するらしい。その寄生の様子を、ファーブルも観察したらしい。こういう虫が我が家に出現することは、素晴らしいことではないだろうか。ハチの仲間は、狩りをする捕食者であり、その捕食者に寄生するものがいることになる。我が家の庭で複雑な種間関係が営まれ、多様性を実感している。