エンマムシの一種

またしてもピンボケの写真なのだが、長い間、なんの仲間かさえわからなかったものが、なんとか見当がついたので、掲げたい。



(2012/06/24 撮影)

この虫は、畑の堆肥を作るために枯れ草を積んでいるところで、動いていた。ちょうど雨が上がった後の湿ったところに、2匹がいたと思うが、交尾をしていたかどうかは不明で、1匹は堆肥の中に潜り込んでしまった。写真を撮った個体は、動いているのを、棒で触れていたら、体を縮めて死んだ真似をしてしまった。それに真ん中のあたりに、赤いダニが付いている。

体は1センチ足らずだが、それほど小さいものでもないし、こんな特徴的なものだから、すぐに名前がわかるものだと思っていた。ところが、いつも参照している岐阜大学のサイトや福光村昆虫記の甲虫のところを、手当たり次第、見比べてみるのだが、それらしいものに行き着かない。なにか勘違いをしているのかと、その他の黒い色をしている昆虫類を見るのだが、どうもそれらしいものが見当たらないので、迷宮入りかとあきらめかけていた。

それが、私が持っている古い昆虫図鑑で、保育社標準原色図鑑「昆虫」を見ていると、どうやらエンマムシの仲間らしい。頭の形、翅の形、お尻のあたりの感じからすると、クロエンマムシが一番似ていそうだが、ここはピンボケの写真なので、エンマムシの一種に止めておく。

その図鑑の記述によれば、牛馬のフンに集まり、その中のウジを食べるらしい。枯葉の堆肥をつくるときに、生ゴミや鶏糞などを混ぜているので、そういうものに引き寄せられたのだろうか。Wikipediaエンマムシの項目では、そのようなエサを食べる状況はファーブルの昆虫記でも描かれているらしい。

いずれにしても、かなりの昆虫を網羅しているようなサイトでも載っていないような昆虫を、自分で見つけて、それなりの目星をつけたということで、満足している。今後も堆肥をひっくり返すときには、注意して見て行きたい。