ハエ2種:キイロショウジョウバエ、マダラアシナガバエ

いい加減な同定しか出来ないくせに、性懲りもなくハエを取り上げる。

キイロショウジョウバエ
このショウジョウバエは、ミカンにカビが生えてしまったので、鳥に食べてもらおうと庭に並べているところに集まって来ていた。



(2012/06/07 撮影)

ショウジョウバエの種類はいっぱいいるのだろうが、キイロショウジョウバエの模様などとも一致するので、そのように同定しておく。

生物学を学んだ人ならば、Drosophila melanogaster という名前は、何度も聞いたことがあるに違いない。改めて、学名の意味を考えてみると、(drosos) + (phila)で、「湿気・露を好む」であり、melanogasterは、「腹が黒い」ということだろうから、なんで和名に黄色が入ったのかと思う。元々はアフリカ中央部にいたものが、世界中に広がったらしい(キイロショウジョウバエ - Wikipedia)。

ところが、その姿となると、まじまじとは見たことはないというので、一度写真に撮ってみたかった。実は、大学の時に、集団遺伝学の実習か何かで、ショウジョウバエの培養瓶から、雄や雌や遺伝子型(表現型)に基づいて、個体数を数えさせられた覚えがある。そのときには、生ゴミに湧くような虫を調べることは、性に合わないと思ったものだ。大学院生の時には、ショウジョウバエなんかは時代遅れだという風潮もあって、私がいた大学のショウジョウバエの研究室は潰された。それが今や、いろいろな実験動物として、世界中で多くの研究者が扱っているのだから、その大学の人たちは見る目がなかったことになる。

そんな世の中の風潮とは関係なく、自宅の庭のハエを調べる過程で、ハエの一種として意識したことになる。


(2012/06/25 追記):ブックマークにコメントがついているので、その応答を書いておく。おそらく、私が大学院に入った頃の30年くらい前には、分子生物学大腸菌やウィルスが主流で、脊椎動物はマウスが中心で、ショウジョウバエという材料も集団遺伝学的な手法も、中途半端で時代遅れに思われたのだろう。このことは、私もそう思っていたから、同じように見る目がなかったことになる。ショウジョウバエが復活したのは、その後 Hox 遺伝子などが出てきたからだろう。




マダラアシナガバエ
先に「アシナガバエの一種」を取り上げたときに、「翅に斑紋がある場合には、マダラアシナガバエと同定出来る」と書いた。それで、アシナガバエの姿を見かけたときに、翅の模様に注目していたら、斑紋のあるものが見つかった。


(2012/06/09 撮影)

斑紋のあるものとないもので、なにか行動や生態に違いがあるのか、とても識別できるものではないが、今後も注目して行きたい。