春に咲く樹木の白い花:ユキヤナギ、コデマリ、ウツギ(卯の花)
花が咲く木を、妻がいろいろ植えているのだが、栽培種の花には興味を惹かれないこともあって、これまではほとんど注目して来なかった。今年の春の間、虫が集まってくる花もあって、少しは認識を新たにした。花の時期はすっかり終わってしまったが、春のうちに取り上げておきたい。
まず3月の中頃に咲いていたのが、ユキヤナギだった。
(2012/03/20 撮影)
今年の冬は寒かったので、草花の花もあまり目立たない時期に、枝全体が真っ白な花で埋まっていたので、花の写真を撮っていた。枝が少し徒長気味で、秋の時期にもっと剪定をしておくべきだったと妻は悔やんでいたが、そういう枝にも花がいっぱい付いていた。
次に、4月になってコデマリとウツギが満開になった。
(2012/04/28 撮影)
まず、コデマリは、多くの昆虫が集まって来て、これまでもカミキリモドキを取り上げたときに、花を掲げた。この写真でも、ヒメマルカツオブシムシやハチ(未同定)が写っている。
ユキヤナギとコデマリを並べて見ると、近縁の類なのだろうと思えてくる。たしかに、どちらもバラ科のシモツケ属の花らしい。それでも、改めて違いはないかと見ると、コデマリの花のほうが、雄しべが長く伸びている。
いつもの植物雑学事典によれば、ユキヤナギの方は関東以西に自然分布するものだが、コデマリの方は、中国原産のものが観賞用に導入されたらしい。花の付き方などは、コデマリの方が、派手だったということだろうか。
ウツギは、卯の花なのだという。卯の花というと、「卯の花の匂う垣根に... 夏は来ぬ」という歌詞を思い出す。妻が庭に植えるまで、卯の花というものを見たことはなかったのだが、この路傍百種に取り上げようと思うまでは、特に注意して見ることもなかった。実際に匂いを嗅いでみると、そんなに匂うとは思えないが、昔の人にとっては身近な植物だったのだろう。
(2012/05/03 撮影)
ユキノシタ科の植物ということで、花の構造もなかなか複雑である。まずは、雄しべの根元のところが、幅広くなっていることを、今年は覚えておこう。