イソヒヨドリ

12月中は、妻の母の入院・逝去と続いたために、ブログを書く気になれなかった。知り合いの方で、このブログを見ておられましたら、年賀状を失礼させていただいていますこと、ご了解ください。年が改まって、松の内も過ぎたので、ブログも再開したい。


「路傍百種」は、前回までで293種で、昨年中になんとか300種を突破したいと思ったのだが、冬になって、生物の動きも目立たなくなって、なかなか取り上げる種類が見当たらないこともあった。


年の始めなので、我が家にもっとも普通にいる鳥を取り上げたい。我が家の庭を訪れる鳥は10数種程度だと思うが、季節的に限られている種類も多く、秋にはあれほどいたスズメも、今の時期はどこかへ移動してしまって、見られなくなっている。



(2012/01/08 撮影)

そんな中で、年中居着いてくれているのがイソヒヨドリである。我が家の庭を縄張りにしているのか、庭を取り囲む屋根や塀に止まってさえずったり、ときどき地面に降りてエサをついばんだりしている。畑や庭の土を掘り返したりすると、じっと眺めていて、私が少し離れると、虫などのエサを食べたりする。メスもいるのだが、色もあまり目立たないし、行動もオスほどには活発に動き回らないようだ。周囲のどこかに巣を作っているかもしれないのだが、見つけていない。


イソヒヨドリという種類は、今の町に住み始めたときに、初めて意識した。海岸の近くを歩いていると、堤防などのけっこう目立つ場所で、止まっていたりする。しかも、色がきれいなので、一度覚えれば、忘れることはない。

イソヒヨドリという名前から、海岸の近くにいるのかと思ったら、かなり内陸部にまでいるらしい。Wikipedia によれば、近年では都市部にも生息するようになり、住宅地やビルの間を飛び回る姿を見かけたりするらしい。世界的には標高2000m-4000mの高山の岩石地帯に生息する鳥らしいから、元々は、岩場などの開けた場所を好むものが、日本ではたまたま海岸の岩場だったということか。

学名も Monticola solitarius Linnaeus, 1758 ということで、属名は山に住むという意味だろう。ちなみに、命名者はリンネで、1758年ということだから、動物命名規約の出発の時点で名前がついていて、括弧がついていないから、その後も所属の属名が変更されることなく続いてきたことになる。

そんな訳で、冬の間、なかなか取り上げる種類がないかも知れないが、少しずつでも種類を積み重ねて行きたい。