コウガイビル

この生物は、最初、畑のウネの横でミミズが伸びているように見えたのだが、よく注目して眺めてみると、頭が扇形になっていることから、コウガイビルであることがわかった。前日雨だったから、朝になっても湿り気が残っている土の上を這っていたらしい。




(2011/11/07 撮影)

コウガイビル自体は、過去にも何回か見たことがあるが、容器に入れていたら、しばらく後には溶けてしまっていたということもあった。以前に見た個体に比べると、この個体は伸びた状態でも10数センチくらいだったから、まだ子供なのか、あまり大きくならない種類なのかも。

それで、同定ということで、いろいろ調べてみたのだが、どうやら自信をもった同定はできそうもないので、コウガイビルということで留めておく。背中に3本線が入っているか1本かで、ミスジコウガイビルクロスジコウガイビルかということになりそうだが、その筋が何本かというのも、この小さい個体ではわかりにくい。また、“ミスジコウガイビル”と考えられているものでも、オオミスジコウガイビルワタリコウガイビル、タスジコウガイビルなどがあるらしい。扇形の“頭”の部分に黒い筋が達しているかどうかでは、この個体では達していないので、ワタリコウガイビルとなるかも知れない。いずれにしても、咽頭部や交接器官などの他の特徴点をよく理解・確認をしていないので、ここではコウガイビルとしておく。

Wikipediaコウガイビルの記述によれば、コウガイというのは、「昔の女性の髪飾りである笄(こうがい)」によるものらしい。てっきり郊外だと思っていた。こういう昔の単語のウンチクに関しては、大学院のときの教授はうるさかった。そんなことは生物とは関係がないと聞き流していたので、今頃になって自分で調べてみて、妙に納得することになる。


また、コウガイビルには外来種も含まれていて、園芸用の土に混じって、分布を広げているらしい。まさに我が家でも、2週間程前に、よその家で不要になった家庭菜園の土を大量にもらって、運び込んだところだった。それに混じって入って来た可能性も大いにありそうだ。いろいろな生物が我が家の庭に入り込んでくる要因として、園芸植物の土に混じって来るのは、けっこう大きな部分を占めているかも知れない。

生物の分布に余計な加担をしたのかと思いつつ、一方で少し期待することは、コウガイビルはナメクジを捕食するらしい。ナメクジには、花芽やイチゴの実などをかじられるなど、けっこう悩まされて来た。今後、それぞれの生物の増減がどうなるか、楽しみである。