ワタノメイガ2

小型のガは、同定できていないものがいくつかあるのだが、今回の種は、模様が特徴的なので、なんとかなるのではないかと写真に撮った。



(2011/09/24 撮影)

いつもの岐阜大学のサイトで、ガのところをじっとニラんで、たぶんネモンノメイガだろうと同定した。特徴としては、比較的大きな目に、そのすぐ後ろの点と、さらに尾端の手前にある黒い点、それに、翅の中にある閉じられた二つの斑紋にも注目した。

いったん名前に目星がついたら、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」のサイトでも、容易にネモンノメイガにまでたどりつける。こちらでも、情報はあまり多くは載っていない。食草なども不明のようだ。掲載の写真も少ないようだから、意外と珍しい種類を見つけたのではないかとちょっと興奮してきた。Google で「ネモンノメイガ」で検索してみても、あまり数は引っかからない。

名前自体も気になる。ネモンという単語は見つからないので、根紋野螟蛾なのだろうか? そう思って、改めて模様を眺めて見ると、今度は、胸部の辺りの翅のすぐ外側が、小さい眼状紋のようになっているのに気がつく。なにかの顔のように見えないこともないのだが、これがなにに化けているのか、まったく想像がつかない。



ここまで書いて来て、念のために、Nacoleia 属だけでなく、ノメイガ亜科の成虫の写真を順番に見て行っていたら、なんのことはない、ワタノメイガの方がよく一致するではないか。ワタノメイガならば、以前にもオクラの葉っぱを巻いている幼虫を取り上げたことがある。今年も畑のオクラにいっぱい付いている。

ネモンノメイガと同定した時に、少し模様が一致しないかなあとは思ったのだが、変異の範囲におさまるものと思ってしまったようだ。


実は、しばらく前に「蝶と蛾の曖昧擬態の世界」というホームページを読んでいた。そこでは、 ヘビ・ネコ・フクロウだけでなく、イノシシ・マンモス・サル・コウモリなどに擬態しているのを読み取っておられる。そういうこともあったから、上の写真から、なにかに擬態していることを読み取ろうとしたようだ。そのページでは、ワタノメイガに対して、フクロウを読み取っておられる。私もフクロウかとは思ったのだが、それにしてはガ自体が小さすぎるように思えた。たとえ小さくても、遠目に見てフクロウだと思えれば、鳥をびっくりさせる効果があるのだろうか。