ツユムシ3

昨年は、ツユムシ6月25日に撮影したものと11月3日に撮影したものを、2回取り上げた。今回、それよりも早い発達段階のものを撮影したので取り上げる。




(2011/05/25 撮影)

完全変態のバッタで、幼体を同定することは、意外と難しいものだと、昨年感じたものだった。いつもの岐阜大学ページで出ている写真で、オレンジ色のマーガレットの上に乗っているものが、今回のものと模様などもよく一致するようだ。

ところが、その記述をよく読むと、11月27日となっている。そうだとすると、小さい幼体のままで冬越しをするのだろうか。春になって孵化する方が、自然な気がするのだが…。そう思って、ツユムシの生活史について調べてみると、Wikipedia によれば、年2世代が生じるようである。

卵は4月頃孵化し、6回の脱皮を経て6月頃成虫になる。その成虫が産んだ卵は7月頃孵化し、9月にもう一度成虫が見られる。 2回目の成虫の産んだ卵はそのまま越冬する。

ということなので、上の岐阜大学のサイトのものは、少し異例のこととして、秋の段階で孵化してしまったもののようだ。そして、私が昨年撮影したものは、6月25日のものが第1世代で成熟前のもので、11月3日のものが夏に生まれた第2世代の成虫ということになる。最初、春に生まれたものが、秋の終わりまで生きるのだとしたら、かなり長生きをするなと思ったものだが、これで納得がいく。


ついでに、食草が「キク科のヨモギセイタカアワダチソウマメ科のハギ、アカツメクサを好んで喰い、これら植物上に常駐している」とのことで、我が家には、アカツメクサの代わりにシロツメクサであるが、どれもたくさん生えていて、ツユムシにとって適した場所であったようだ。ちなみに、上の写真の個体はメドハギに付いていた。




上の写真は、クモが横にいるものと思って撮影した。クモは同定が難しいからなあ、と思いつつ、ツユムシが同定出来た後で、いくつかのサイトで、クモの写真をじっと眺めてそれらしきものを探したのだが、ぴったりするものに出会えなかった。

やっぱり、クモは難しいなとあきらめかけて、一番上の写真で、横から写っている姿を見ると、どうも横にいるツユムシの脚の配列と似ているではないか。どうやら、ツユムシの脱皮殻らしいということで、納得した。そう思って見れば、第2脚のように長く伸びている脚は、触角が折りたたまれて、後ろ向きになったものと思われる。




(2011/08/10 追記):
マリーゴールドの花の上に、かなり小さな虫が止まっていたのだが、これはどこかで見たことがあるような気がした。すぐには思い浮かばなかったのだが、どうやらツユムシの子どもらしい。胴体の長さにして、数ミリ程度だったので、おそらくはこれがほとんど最小個体に近いのではないかと思える。春の世代が産んだ子供が、孵化したところらしい。これから、秋にかけて大きくなっていくのだろう。



(2011/08/07 撮影)