ハマボッス

「路傍百種」について少し間があいてしまったので、なかなか書き始められないままに、春も終わりが近づいて来ている。そこで、少し思い入れのある生物を取り上げることで、再開したい。



(2011/05/15 撮影)

このハマボッスは、2007年秋に今の家に住み始めたときに、前に住んでいた家の近くの海岸から、種を採って来て撒いたものの子孫である。2年性の植物ということで、2008年には芽が出るだけで花は咲かず、2009年に一斉に開花して、その後、実をつけて、すべて枯れた。2010年には芽生えたものがあったが、花は咲かず、結局今年の2011年に、またしても2年間かかって、花をつけたことになる。

今のところ我が家のものは、奇数年に咲いていることになる。自然界でも、このように2年性がきっちりと守られているのか、それとも、成長の度合いに応じてズレたりするものなのか知らないが、毎年連続して咲いているところでは、このような2年性ということも、なかなかわからないだろう。今後、我が家の咲き方がどうなって行くか、なるべく自然のままに放置して、見守って行きたい。


この花が2009年に咲いたときには、花壇に植物が少なかったために、白い可憐な花がけっこう目立って、近所の人も珍しがって、名前を訊いてくれたりした。今年は、結局2株しか残っていない。昨年の段階では、もっと芽生えていたと思ったのだが、他の植物の成長に負けて、勝ち残れなかったようだ。海岸の岩場などのような、他の植物が生えにくいようなところに生えるのも、この植物の性質に関わっているのだろう。


写真を撮るときには気がついていなかったのだが、上の写真を見ると、アリが潜り込んでいる。たぶん、花の中に蜜腺があるのだろうか。そんな花の構造も見てみたい。

そんなこんなで、我が家のちょっとこだわりの植物である。