ツノロウムシ

この動物は、ナンテンの枝に付いていたのだが、こういうなんの動物かもわからないようなものを写真に撮ってみようと思うのも、先にワタムシを調べていたときに、このあたりの動物の写真を見ていたからだろう。



(2010/11/28 撮影)

いつもの福光村昆虫記によれば、ツノロウムシと一致するようだ。このような白い塊のものには、他にカメノコロウムシというのもあるようだが、サイズ(6-8mm くらいある)からして、ツノロウムシとなるらしい。

この動物は、カイガラムシの仲間らしい。カイガラムシというと、まず思い浮かぶのが、ミカンの皮についたゴマ粒のようなものなのだが、いろいろな形をしたものがいるらしい。前に、コクロヒメテントウの幼虫を取り上げたときに、それがカイガラムシに似ているとのことだったのだが、どういうものなのか調べることはしなかった。


それに、Wikipediaのカイガラムシの項目を見ると、いろいろ興味深いことが書いてある。資源生物として、蝋や色素を利用したりするらしい。酢酸カーミンのカーミンも、この仲間から採られるらしい。

また、生活史として、雌が固着したまま動かずに、雄がそこに交尾しに来るらしい。これは、昆虫の多くが、雌に移動性があって、適当な場所を見つけて産卵することからすると、非常に印象深い。雌から孵化した幼虫は、そこから分散していくのだろうか。子供の時期に分散するというのは、海の動物ではごく普通のことなのだが、昆虫ではあまり思い浮かばなかった。それで、この動物だけが、なぜ? と思うのだが、追々と考えて行きたい。


(2010/12/03 追記):
この昆虫は、不完全変態だから、子供として孵ったときに、ある程度は分散能力があるのだろうか。これが完全変態だったら、幼虫はウジ虫みたいなものだから、移動能力がほとんどないことになる。だからこそ、移動しなくても済むような場所に、親が産みつけてやらないといけない、ということか?