ユリ科の花:アガパンサス、ユウスゲ
我が家の庭で今ちょうど咲いているユリ科の花を取り上げる。
アガパンサスは、勤務先の関係施設の構内に生えていたものを、もらってきた。珍しいものかと思っていたら、住宅地内のそこら中にも生えていて、しかも我が家の小さな株では少しも目立たないので、思い入れが一気に失せてしまったのだが、年ごとに咲く花も増えてきたようだ。
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ユウスゲは、未だに思い入れが強く残っている植物である。以前に住んでいた家のすぐ近くの海岸に生えていたもので、いかにも砂に埋れてしまいそうな一株を抜いてきて移植した。
夏の夕方の海岸にひっそり咲いている花で、おそらく多くの人は知らないだろうと思っていたら、やはり同じ住宅地内で植えている人がいた。知っている人は知っているものだと思った。
砂浜から、我が家の粘土質の土地に合うかと思ったが、株は年々大きくなって来ている。しかし、今まで種を付けたことがない。これまでは株が小さかったので、一日に咲く花の量が少なかったからなのか、自家不和合性があるからなのか。今年は多くの花が咲くようだから、様子を見てみたい。
この種の学名がまた、素晴らしい。Hemerocallis citrina var. vespertina ということだが、 属名の Hemerocallisは、ギリシャ語の「hemera(一日)+ callos(美)」ということらしい。 美しい花が一日でしぼむところを見事に表現しているし、種小名は、 citrina レモン色で、変種名は vespertina 夕方の ということで、Vesper 宵の明星 ように、夕方にひっそりと咲くことを示しているのだろう。
アガパンサスの方も、学名の意味は、悪くはない。Agapanthus 「agapa(愛らしい)+ anthos(花)」ということだから、アガペーに関する花ということだろうか。
春の時期の小さな花に比べて、大きな花が咲くようになったので、我が家の庭もカラフルになってきた。
(2010/09/01 追記):ユウスゲのタネが実ったようなので、その写真を掲げる。今年は、一晩にいくつもの花が咲いたせいなのか、それに何回か人工授粉を試みたこともあってか、いずれにしても、3度目のシーズンで初めて実ってくれた。
(2010/08/22 撮影)