ブチヒメヘリカメムシ

このカメムシは、ヒメジョオンの上に付いているのを撮った。少し小さいから、はたして同定できるかなあと思ったが、カメムシというものは、案外、大まかな形や模様などからでも、同定出来るものらしい。



(2010/06/08 撮影)

たとえば、このサイトのようなある程度の大まかなグループが載っているようなサイトで、ヒメヘリカメムシ科らしいと目星をつけて、さらにその科を検索したりして、このサイトで、おそらくブチヒメヘリカメムシだろうと同定した。


触角は、先端3分の1くらいがやや太くて、根元3分の1くらいのところに瘤のようなふくれがある。また、眼の中心寄りに、1対のこぶがあり、2対の眼があるようになっており、側部の模様なども一致しているように思う。もちろん、こういう特徴は属の特徴だったりするから、種間ではどう違うのか、比較していかなければならないのだろうが、まずはこの写真(specimen)から特徴的なことを拾い上げて、それをまた分類体系などと照合することが、分類を学ぶということなのだろう。

「イネ科,タデ科,キク科の植物に寄生」とあるから、ヒメジョオンはキク科に含まれる。イネ科、タデ科、キク科などと、まったく違うような気がするのだが、このような宿主にまたがっているのは、どういう意味があるのだろうか?


和名についても、議論があるようだ。ブチヒゲヘリカメムシかブチヒメヘリカメムシか、どちらが正しいかということらしい。どちらを採用するかについて、それぞれに言い分はあるのだろうが、和名は別に単一の名称を採用しなければならないという原則もない。いずれにしても、学名を併記すれば済むことだろう。どちらの和名を採用する人も、学名は、Stictopleurus punctatonervosus (Goeze, 1778) で、特に文句はないのだろう。

同定をすることは、単に標本に名前のラベルを貼ることではなく、以上のような名前や対象に関するあらゆる関係を認識することでもあるのだろう。