スイバ

先にベニシジミについて触れたときに、幼虫の食草がスイバであると書かれていたので、我が家に生えているスイバについても注目していた。我が家のスイバは、入り口の角地のところに大きな株が生えていて、それは私たちが住み始めた時からあったように思う。



(2010/04/11 撮影 )

(2010/05/15 撮影 )

排水溝の近くなので、以前は、管理人さんが整備のために除草剤を撒いていたところで、スイバだけだと“雑草”と思われるところだが、まわりに花壇を作ったり植木を植えたりしたので、除草剤は撒かれなくなった。それでも、あまりに長く伸びると、汚らしく見えるのでないかと、徒長した部分を刈ったりしていた。

そして、春に花が咲くので、その写真を撮って、また実も出来たようなので、その写真も撮って、そのうちにブログに載せようと思っていた。そして、いつものように「植物雑学事典」のサイトを読んだら、この植物が雌雄異株であることを知った。

雌雄異株ということでは、以前にこのブログではアカメガシワを取り上げた。それから、コメント欄でサルナシが話題になったことがあった。これらは、動物食による種子分散なので、動物を呼び寄せる効果や、種子が遠くへ運ばれることによって、雌の「投資と見返り」の関係に頭打ちが起きないということで、雌雄異株になるものと考えられるのだろう。

スイバの場合は、どのように説明されるのだろうか。種子は、風による分散らしい。遠くへ分散するという意味では、近くへかたまって落ちて、子供同士で競争し合うということもないのだろうが、風分散の植物のすべてが雌雄異株ということでもないようだ。受粉が風媒であることは、意味があるようだ。たぶん、自家受粉を回避する意味があるらしい。それでもタデ科の仲間の多くは雌雄異株でもないようだから、スイバだけが雌雄異株になったのには、なにか特有の進化的な要因があったのだろうか。

たまたま、我が家に元から生えていたスイバは雌株であったようだ。そこから飛んだ種子が、芝生や畑などにも芽生えている。あまり大きくなっても困るので、これまでは抜いていたと思うが、せめて花が咲くまでは置いておこうかと思っている。

それから、スイバのことを調べていると、スイバは性染色体を持つらしい。そういえば、大学時代の恩師のひとりが、スイバの染色体を調べられていたことを思い出した。当時は、今さら染色体など調べてなんになる、と思ったものだが、今から思えば、どのような事例からでも、話は拡がっていくのだった。

そういうわけで、スイバのことも少しずつ考えて行きたい。