タカサゴユリ

タカサゴユリの種子がはじける季節になって来た。今の家に住み始めた2年前には、ところどころに生えていた程度だったが、今年はもうそこらじゅうに生えて来て、少しぐらい抜いても惜しくはない程度にはびこってきた。この種子を見れば、それも当然のように思える。この種子が風に乗って、冬の間にそこらじゅうにばら撒かれる。




前にニラのところで触れたように、ユリ科であるから3の倍数になっているのか、めしべの部屋は、まず3つに分かれ、さらに2分されて、6つの部屋になっている。その部屋の中にびっしりと薄い種が重なって入っている。


花の時期もけっこう長くて、たぶん夏の初めにピークがあって、10月になってもぽつりぽつりと咲いているものがあった。おそらく、その年に芽生えたものであっても、とにかく花を咲かせるだけの栄養が貯まれば、花をつけるのだろう。



(2009/09/08 撮影)


この植物は、ユリの花であることで、ずいぶんと得をしているに違いない。道路の法面などで同じように生えていても、セイタカアワダチソウだったら嫌がられるのに、ユリだから許容されるところもあるだろう。そういう訳で、私の住んでいる地方では、夏の頃にはそこらじゅうで咲いている。

ある自然観察会では、帰化植物だということで、抜いている人がいた。たしかに、ササユリなどの本来のユリがあるところでは、このユリは似合わないのだろう。我が家でも、通り道などに生えてきたものは、遠慮なく抜くようになったが、庭の片隅などに生えているものは抜けずに残っている。