ウラナミシジミ(実は、クロマダラソテツシジミ)


日浦勇の「海をわたる蝶」については、イチモンジセセリのところで少し触れた。その中に、ウラナミシジミのことが書いてあるのは、最近読み返してみて気がついた。さらに、その「さまよいながら生きる」という章の話は、磐瀬太郎さんの物語であると思っていたのだが、自宅の庭にいるシジミチョウが、まさにそのウラナミシジミであるとは、このようなブログを書くために写真をとるまで気がつかなかった。





私の住んでいるところは、まさに越冬するかどうかの境界の場所であるらしい。私の知り合いの昆虫に詳しい人たちは、おそらくその名前を何度も口にしていたに違いない。しかし、昆虫などは別世界のことと思っていた身には、右から左へ抜けていたのだろう。

庭の家庭菜園では、冬にサヤエンドウを作っている。まさに、ウラナミシジミのことを観察するのに適した場所だったのかも知れない。今後、観察を続けて行きたい。


(2009/10/05 追記):シジミチョウには、他にも種類がいるようで、そのような種類を見ていると、上の種類が本当にウラナミシジミなのか自信がなくなって来た。少し大きな写真を掲げますので、どなたかご教示ください。


最初は、後方のオレンジ色の点があるからウラナミシジミだと思っていたのだが、ウラナミシジミで明瞭な黒点を持ったものは、ネットの写真では見つからないような…。ツバメシジミにも似ているようなのだが、どこか模様が違っているような…。この辺りは、雌雄差やら、もっとたくさんの個体や種類を見て、個体差を見極める必要があるのだろう。


(2009/10/12 追記):どうやら、写真に撮ったものは、クロマダラソテツシジミらしい。この名前で検索すれば、ぴったり一致する写真に出会えるのに、たまたま私が見ていたシジミチョウの一覧表が載っているようなホームページでは、既知の種類となっていなかったようだ。

それというのも、この種類が見つかるようになったのはほんのこの数年らしくて、2007年から各年ごとに刻々と広がっているのが、ネットの記述から読み取れる。

クロマダラソテツシジミ
熱帯チョウの分布拡大 ソテツが食害 - AGARA紀伊民報


私が住んでいる地方では、既に広がってしまっているようだが、我が家の周辺までどのように広がって来たのだろうか。周辺にソテツが植わっているのか確認していないのだが、どこかの個人の家の庭に植わっているように思う。あるいは、長い距離をチョウとして分散するのだろうか。

初めて写真に撮ったシジミチョウが、実は、このようなホットな話題の種類だったようだ。温暖化などと大騒ぎをすることに与したくはないが、このチョウの動向については、今後も興味を持って眺めて行きたい。


(2009/10/26 追記):数日前に、お隣の家の庭にソテツが植わっていることに気がついた。我が家にこのチョウが多いのは、おそらくそのせいだろう。そこで羽化したものが、我が家の植物のところで蜜を吸ったり休んだりしているのだろう。このチョウに注目しなかったら、隣の庭の植物などに興味を持つこともなかっただろう。遠くから眺めているだけでは、ソテツが影響を受けているかどうかはわからないのだが、今後も注目して行きたい。