ヒトのタイプ標本2:化石人類のタイプ標本

昨日の記事で、ヒト(Homo sapiens)という種類には、タイプ標本がないことを示したのだが、化石の Homo 属の種類では、タイプ標本が揃っているようだ。

例えば、このページの「ホモ属の種内変異と種間関係」という記事では、ネアンデルタール人からホモ・エレクツスやらホモ・ハビリスなどの名前とともに、ホロタイプ(このページでは正基準標本)が存在していることがわかる。

もちろん、ホモ・サピエンスにおいても、クロマニヨン人などの化石の骨は、タイプ標本ではないが、きちんと登録されていることだろう。

さらに、リンネ自身が、どのように人類を認識していたかは、以下のサイトでダウンロードできる論文「リンネの人間論 : ホモ・サピエンスと穴居人(ホモ・トログロデュッテス)」に詳しい。現在なら、亜種というのもはばかられる“人種”についても、亜種として学名が与えられている。このようなリンネが命名した“種類”について、今でもタイプ標本が残っているのかは、今のところよくわからない。


このようなことを調べ始めたのは、ネアンデルタール人が、最初ホモ・サピエンスの亜種として、つまり Homo sapiens neanderthalensis として扱われたことを、知ったからだった。(ネアンデルタール人 - Wikipedia


さて、このような状況下で、タイプ標本を重視する人たちは、ホモ・サピエンスにタイプ標本がないわけだが、どのように考えるのだろうか?