「生物の樹・科学の樹」の感想4:三中さんのトラックバック

三中さんがまたトラックバックしてくれたようだ。
『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(96)

※ 「真なるものはつねに秘匿されている」と言ったのはオカルト哲学者のアグリッパ.表面に現われているものの「裏」にある系譜をたどることは今回の連載のきわめて重要なテーマですね.ウィトゲンシュタインの「家族的類似性」がメタファー的レトリックの発現であるのに,同時にメトニミー的レトリック(すなわち系統樹)につながっていくというような一筋縄では解けないようなおもしろさがこのあたりの話題には絡み付いています.レトリックなしに私たち人間が生きてはいけないように,分類という行為もまた「真空」の中で「中立」に実践できるわけではないというシンプルな事実を第6回の連載では指摘したわけですね.

ウィトゲンシュタインを挙げられても、彼の著作を理解していない者には、雲をつかむような話ではあるが、「家族的類似性」で問題にしていることは、分類学でいうmonothetic & polythetic ということだろうか。でも、このことがメタファーやメトニミーにどのようにつながっていくのかは、よく理解できない。任意のゲームを取り上げて比較することがメタファー的であり、ゲームの系譜をたどることがメトニミー的とでもいうのだろうか?

分類という行為が“無条件”で「中立」に実践できるとのナイーブな感覚は抱いていないつもりだが、人間のこころに分け入る認知科学もまた「中立」ではないということにならないのか?