13歳のハローワーク

先のフェルミ推定で、ピアノ調律師の数のことを“考察”したので、他の職業について調べていて、「13歳のハローワーク」の公式サイトを見つけた。本の方(Amazon.co.jp: 13歳のハローワーク: 村上 龍)は、前にベストセラーになっているのは聞いたことがあるが、公式サイトの方もよくできていると思う。

なによりもよくできていると思うのは、いろいろな職業のことが的確に書いてあって(村上龍自身の文章らしい)、まさに職業に関する「博物誌」になっていることである。ハローワークマップというのは、まさに職業を分類したダイアグラムだろう。それが、インターネットになって、さまざまなリンクが張られて、インターネットに適した情報となっている。


ピアノ調律師で検索してみても、このサイトはかなり上位に出てくるので、たぶんフェルミ推定ピアノ調律師の数を考えた人の中にも、このサイトを見た人がかなりいるに違いない。

このサイトで、日本のピアノ調律師の数は、6000人となっている。まさに2万人にひとりということで、シカゴでの推定とほぼ一致する。アメリカと日本で、同じ割合でいるというのも、また驚くべきことではないか。ひとりのピアノ調律師がこなせる量は、日本でもアメリカでも同じだろうから、ピアノを所持していて、調律を依頼する家庭の割合が、同じということになる。

いったん、フェルミ推定のことを考えた後では、どの職業を見ても、その数や割合が気になる。たぶん、フェルミ推定のことを考えなかったら、いろいろな職業の説明を読んでも、特に興味を持たなかっただろう。これも、フェルミ推定の効用だろう。