ナガコガネグモ2:卵嚢

秋も終わり近いのか、このところ昆虫もめっきり少なくなって、新しい種類の写真も撮れずにいた。



(2012/11/04 撮影)

この綿のような塊は、妻が「これはなに?」と持ち込んで来た。ぱっと見たところ、なにかのさなぎか卵嚢のように思えた。それで、全体の写真を撮って、中身を切り開いて見ると、卵の粒が認められたので、卵の塊のように思える。



(2012/11/04 撮影)

綿のようなものに包まれているので、クモなのではと目星をつけて、「クモ 卵」で画像検索をしてみると、どうやらナガコガネグモの卵嚢のように思える。「ナガコガネグモ 卵」で検索をしてみると、さらにそれらしい写真に行き着ける。また、「クモ卵検定」というサイトでも、ナガコガネグモと一致するようだ。それに、ナガコガネグモの成虫はこのブログでも以前に掲げたことがある。


妻によれば、ハーブを植えているところの茎にくっついていたらしい。それに、クモの巣のようなものもからんでいたらしい。いつもの私の観察のルートからは外れていて、注目するポイントも違っているので、目のつけどころが違うおかげで見つけられたことになる。

中身までを切り開いた写真は、あまり多くはないようだが、こちらの「海野和男のデジタル昆虫記」というサイトでは卵の粒まで写っている。

中身を切り開いてしまったので、外側の覆っていたものが無くなって、おそらくこのままでは生きられないものとは思える、容器にでも入れて、隔離しておいて、子供が出てくるところまで見守ってやるべきなのかも知れないが、そこまではつき合う気になれないので、元の植物のところにからませておいた。どうなるものか、ときどきは注意して見ていきたい。


(2012/11/06 追記):
妻が卵の粒々を見て、卵の数はどのくらいあるのか? と言うので、この程度の数ならば、実際に力ずくで数えればいい、とは言ったものの、実際にバラバラに分離して数えるとなると、たぶん特殊な薬品を使わないと、うまくバラけないようにも思える。

表面の粒々は数えられそうなので、楕円球の短径と長径から体積を求める公式を使えば、うまく数えれるのではないかと、あれこれ考えてみた。

楕円体の体積を求める公式などは、きれいサッパリ忘れてしまっているが、今やネットで解説しているサイトはいくらでもあるようだ。

体積 V = 4π a b c /3

ということなのだが、長径を a として、短径 を b=c として、その径に沿って並ぶ卵の数を代入すれば、おおまかな見積りは出そうだ。

ところが問題なのは、表面の卵の粒を数えると、それは楕円周に沿った数で、径に沿った数にするには、周から径に換算する式が必要となる。周を求める式はかなり複雑なので、これを径について解くところで、挫折しそうになった。


実際に写真から卵の数を数えてみると、大まかには、短周上に12個、長周上に14個、が並んでいるようだ。それでエイヤーと、(短径 5, 長径6) とすると 628個(少し多目の見積り)、(短径 4.5, 長径を 5.5)とすると 505個 となるようだ。おおまかには、500個余りという見積りになるようだ。

後から思えば、卵塊の径の長さを測っておけば、全体の体積が求まる。それに、卵1個の径を顕微鏡下でも測れば、そこから卵1個の体積を求めて、卵数の見積りもできそうだ。

ここまで求めて、上で参照した「クモ卵のう検定」の説明では、本種の卵数は「500-1500個」ということだから、今回の卵数は少ない方になるのだろう。


一匹の雌がいくつの卵嚢を生むのかもわからないが、クモの卵も考え始めてみると、いろいろ面白そうだ。