アゲハチョウ2

アゲハチョウは、以前に幼虫だけを取り上げた。成虫の止まっているところになかなか近づけなくて、うまい写真が撮れなかったこともあるが、ネット上に美しい写真がいっぱいあることから、あえてヘタクソな写真を撮ることもないと、熱心に写真を撮ろうとしなかったこともある。





(2012/07/29 撮影)

たまたま一個体がテンニンギクの花をゆっくりと巡ってくれたので、手当たり次第にシャッターを切ったものから、模様がよく写っているものを選び出してみた。

このように並べてみると、翅の後方に付いている眼状紋がやたらと目に付く。それに黒と黄色の模様に、尾状突起などが組み合わさって、ポーズによってずいぶん違った見え方をする。角度によっては、妙に立体的に見えたり、模様の中の特定の部分が強調されたりするようだ。

このような話になると、「蝶と蛾の曖昧擬態の世界」のページを参照したくなる。そこでは、アゲハチョウは、ネコ、タカ、ヘビに擬態していることが示唆されている。私の写真からは、そういうものをぴったりと想像することはなかなか出来ないが、いずれにしても、捕食者の方で、なにか危険な動物を想像してくれれば、模様として成功なのだろう。

そうすると、アゲハチョウの場合は、必ずしもひとつの種類だけでなく、いくつかの種類に化けているように思える。そのうちの一つに特化すれば、完全な擬態になるのだろうが、いくつかのモデルを同時に真似て、見る角度や光の当たり方に応じて、捕食者がなんらかのものを想定してくれて、飛びかかることを躊躇するならば、それでメリットがあることになる。


いずれにしても、このようなことは、図鑑や標本などの翅を展翅したようなものからはわからないことだろう。

こうなってくると、動画や連続写真で、見てみたくなる。考えてみれば、私の持っているデジカメでもそういう撮影ができるのだった。一度も使ったことのない機能なのだが、機会があれば試してみたい。