甲虫2種:ベニボタル、クリイロクチキムシ

ベニボタル
この赤くて目立つ甲虫は、少し傷ついているようだが、イタリアンパセリの花に止まっていた。



(2012/06/02 撮影)

次の日にも、花壇の植え込みの上に止まっているものがいたのだが、こちらの方は既に死んでいた。花壇を縁取りしているレンガの上で写真を撮った。




(2012/06/03 撮影)

こんなに特徴的なのだから、すぐに名前がわかると思ったが、同じような色合いをしたものがいくつかの甲虫のグループで見られて、注意深く比べて行って、ベニボタルと同定した。

ベニボタルの記述に、「翅が目立つ赤紫色なのは鳥に対して毒を持っている事をアピールしている」というのがあった。「ベニボタル 毒」で調べてみると、ベニボタルの仲間は、毒というか臭気を発するらしい。

これで、いろいろなことがつながってくる。赤くて目立つ色は、有毒だぞ!とアピールするためのものだろう。いろいろな動物群で同じような色合いをしたものが見られたのは、このベニボタルをモデルとして、ベイツ型擬態をしていることになる。

最初に見つけた個体が傷ついていたのは、おそらく鳥などがかぶりついたものの、その毒を浴びせて逃れていたのだろうか。こんなに目立つ虫ならば、以前からいれば私も気がついていただろうが、以前にはいなくて今年になって我が家の庭に出現したのだとしたら、我が家の庭の鳥たちも、そのような虫について学習していなかったことになる。

幼虫は朽木などに見つかるそうだから、我が家の庭で植木を剪定したものを積んでいるところにでも発生したのだろうか。今後も見つかるのか、注目して行きたい。



クリイロクチキムシ
こちらの甲虫は、上とは逆に、これといった特徴がないものと思いつつ、写真に撮った。



(2012/06/02 撮影)

いつもの岐阜大学のサイトで、甲虫の科を順番に見ていったのだが、 最初はハムシ類にしては少し大きくて、コガネムシ類にしては少し小さいなと感じつつ、結局主だった科をしらみ潰しに開けて行って、ゴミムシダマシクチキムシの一種に行き着いた。トビイロクチキムシとクリイロクチキムシは似ていて、画像からは判断がつかないそうだが、他のサイトのいろいろな写真を見て、トビイロクチキムシの方が、少し色が濃くて、光沢があるような感じから、クリイロクチキムシと同定しておく。

朽木虫という名前からして、朽木に関係するのかと思うが、生態の記述はあまり見つからなかった。他のゴミムシダマシが、石をひっくり返したときに出てくるものというイメージだったのが、この個体はノイバラの葉っぱに乗っていた。このノイバラは、なかなかいろいろな虫を集めてくれるようだ。