イチゴいろいろ:ヘビイチゴ、ワイルドストロベリー、イチゴ

ヘビイチゴ
このヘビイチゴは、花壇を縁取りしているレンガに沿って生えている。最初、黄色い花が咲いていたようなのだが、春には黄色い花(マメ科キク科などの)が多いので、それらに紛れて気がつかなかった。




(2012/05/13 撮影)

果実が実っているのを妻に指摘されて、初めて気がついた。その後、かろうじて残っている花の写真を撮った。

レンガに沿って生えていること自体が、この植物がおそらく鳥によって運ばれたことを示しているのだろう。多くの鳥が、レンガの上で留まって、そのときにフンをした中にタネが含まれていたのではないか。

ヘビイチゴの学名は、Duchesnea chrysantha であり、種小名は、その黄色い花を意味しているのだろう。属名は、18-19世紀にかけてのフランスの植物学者である Duchesne にちなむらしい。

野イチゴには毒があるとかないとか言われたりするが、この種類は、毒はないが、美味しくないとあったので、実際に試してみると、たしかにそのとおりだった。スカスカで水っぽいという感じ。それでも、色にダマされて、鳥が食べるのだろうか。


ワイルドストロベリー
ヘビイチゴのことに触れたので、ワイルドストロベリーについても取り上げたい。この植物は妻が持ち込んだもので、どこかで購入してきたようだ。以前は、花壇の片隅に植えていたのだが、たまに思い出したかのように果実が実っていた。食べてみると、野性的だが濃厚な味がして、これが非常においしい。それで、土の良い所へ移し替えたら、株がよく伸びてイチゴも実るようになった、しかし、あまり多くは実らない。それで、現場で口に入れて食べるか、イチゴジャムを作るときに、少し混ぜて利用している。Wikipediaイチゴの項目によれば、この種類がヨーロッパで初めて栽培化されたものらしい。



(2012/05/19 撮影)

学名は、Fragaria vesca であり、種小名は、実が小さい・か弱いという意味だろうか。属名については後で、触れる。


イチゴ
イチゴ類の最後に、普通のイチゴについても取り上げたい。我が家の畑で、イチゴを作るようになって、4シーズン目になる。最初の2年は、お向かいの家から何株かを頂いたのを、空いた場所やプランターに植えていたのが、少しずつ株が増えて来て、昨年は畑のウネに植えるようにしたので、一気に収量が増えた。今年は、ウネに植える株数を増やしたり、以前の株に残った株があったりして、庭のあちこちでイチゴが実るようになった。最初の2年は、シーズン中に何粒か試食して喜んでいたのが、昨年はほぼ毎日朝食時に食べられるようになり、今年は毎日食べきれないほど実って、イチゴジャムを作れるほどになった。




(2012/05/19 撮影)

本来ならば、新鮮で完熟のイチゴを近所の人に配りたいところなのだが、残念ながらできない。それというのも、完熟でおいしそうになったものに限って、朝になるとナメクジ、ダンゴムシ、ハサミムシ、アリなどの虫に食べられた跡がついているからである。我が家で消費する分には、そのような虫食い部分を取り除いて洗えば、特に問題はない。生で食べても、ジャムで食べても、実においしい。

Wikipediaイチゴの項目は、なかなか興味深い。イチゴの学名は、Fragaria ×ananassa Duchesne ということで、18世紀にオランダの農園で、北米産のバージニアイチゴ (F. virginiana) とチリ産のチリイチゴ (F. chiloensis) の交雑によるものらしい。その作成者の Duchesne は、ヘビイチゴの属名のところで出てきた名前である。Fragaria という属名は、香りにまつわる意味らしい。英語の fragrant にも通じるのだろう。

英語の strawberry の起源はいちご畑に麦藁、むぎわらを敷いたことによるらしいが、諸説があるらしい。ストロベリーという単語は、幼稚園時代に覚えた。そのことを記憶しているのは、以下の歌詞のおかげである。

 いちごのなる頃青い空 麦わら帽子をかぶります
 いちごがたんとなったなら おカゴにリボンを結びます
 風がおカゴを覗いている 誰にあげましょうストローベリー

この歌詞はうろ覚えなので、正確なものをどこかで確認しようと思ったのだが、意外と見つからない。いずれにしても、幼稚園の先生に「イチゴは英語でストロベリーという」と教えられたのを、未だに鮮明に覚えている。