春に見られた甲虫類

春になって昆虫が一気に出てきて、同定や掲載が追いつかないので、春から見つかったもののうち、新たに同定できた甲虫類をまとめて掲載する。


カタモンコガネ
ノイバラのところで触れたように、その花のところに群がっていて、交尾をしている個体も多く見られた。その後は数が減ったようだから、ある時期に集中していたのだろうか。



(2012/05/07 撮影)

このようなサイズの“カナブン”は、子供の頃からあまり注意して観察したことはなかった。いろいろな色をしているものがいることは気がついていても、名前も形も特に気にも止めないで来た。このブログでは、似たような大きさのものとして、セマダラコガネマメコガネを取り上げたが、それとはどこか違っているように思えたので、写真に撮ってみたら、カタモンコガネと同定された。いずれしても、どの種類も、このブログで取り扱おうと思わなかったら、知らないままでいたものだろう。

カタモンというのは、「肩紋」だろうか。上翅の肩に当たる部分に、少し色が濃い紋があるにはある。それに、腹部の外縁に長い毛が密に生えている。

かなり花を激しく食べていたようなので、園芸用の花を楽しむためのものならば、かなり気になるところだったかも。



クロコガネ
この“カナブン”は、庭に置いている水鉢の中に落ちていて浮いていた。それが2回ぐらいあった。



(2012/05/06 撮影)

以前に取り上げたアオドウガネぐらいの大きさや形で、それが茶色くなったようなものだろうか。似たような種類で、オオクロコガネもあるようだが、胸部に粗い点刻があることからクロコガネと同定しておく。


シモフリコメツキ
このコメツキムシの同定は、まったく自信はないのだが、触角や頭部や胸部や腹部の長さの比率や、上翅に筋がはいっていないことに注目して、えいやーということでシモフリコメツキと同定した。



(2012/05/05 撮影)

シモフリコメツキには類似の種類があるようで、いつもの福光村昆虫記には特徴点が列挙してあるのだが、写真だけではそれらをなかなか確認できない。

コメツキムシの仲間としては、以前にサビキコリを取り上げたが、これも同定に自信がない。この仲間をきちんと同定するためには、やはり標本を残して、並べての比較や、細かな特徴点について確認していくことが必要なのだろう。



ヒメクロオトシブミ
この甲虫は、形が特徴的だから、どの仲間くらいかはわかるだろうと思って写真に撮った。



(2012/05/07 撮影)

調べてみると、オトシブミの仲間であり、また足がオレンジ色であることから、ヒメクロオトシブミであるらしい。

オトシブミならば、葉っぱを巻いた「ゆりかご」を作るのではないかと、くっ付いていた木(ブルーベリーの葉っぱだった)の下に注目したのだが、見つからなかった。たまたま止まっていただけなのだろうか。


キベリゴモクムシ
この虫は、花壇を縁取りしている石をひっくり返したら出てきた。



(2012/05/13 撮影)

オサムシの仲間だと思えるが、この仲間を絵合わせだけで同定するのは、無謀なのかも知れない。それでも体の頭・胸・腹などの形や比率や、脚が黄色いことなどに注目して、キヘリゴモクムシと同定しておく。ただ、縁が黄色くなっている点が明瞭ではないので、やはり違うかも知れない。

前にもゴミムシの一種として、この仲間を取り上げたことがあった。そのときの個体とは、最初は違っていると思ったのだが、じっと眺めていると同じものだとも思えてくる。畑のウネをひっくり返したりしているときに、このような甲虫類はけっこう出てくるようなのだが、そのときにはなかなか写真を撮ることができないので、採集などもしながら、いろいろなものを写真に撮ることをしていきたい。


バラルリツツハムシ
ハムシの仲間も、どうせ簡単にはわからないものと思うのか、見かけたとしても、あまり熱心に写真に撮ろうという気にはならないでいる。



(2012/05/09 撮影)

前に、メマツヨイグサの上にいることから、カミナリハムシと同定したものがあった。今回の種類はそれとは違っているようで、全般的な形からは、バラルリツツハムシかなあと思える。付いていた木が、“リンゴ”だと思っているものだったので、同じバラ科ということにもなるだろう。

このリンゴだと思える木は、庭のあちこちで生えている。リンゴだと判断するのは、ホームセンターでリンゴの苗として売っているものと似ていることと、生ゴミから堆肥をつくっているので、食べたリンゴのタネが混じっていて、そこから発芽したのではないかと思っているからである。しかし、未だに花が咲いたことがないので、確認できていない。


(2012/05/28 追記):ハムシが交尾しているものを見つけた!と思って写真を撮ったのだが、しばらく前にこの種類を同定したことをすっかり忘れていた。上と同じように、昨年同定したカミナリハムシとは違っていることを確認して、結局、バラルリツツハムシに行き着いた。異なる機会に、同じ同定に行き着いたのだから、この同定に再現性があるということだろうか。そして、上に発見したときと同じように“リンゴ”の木に止まっている。交尾の写真からわかるのは、雄が少し小さいということか。それに、多少、色が違っている?


(2012/05/26 撮影)