コバンソウ、ヒメコバンソウ
このブログで扱う候補として、いくつかの種類をリストアプしているのだが、イネ科の植物は、写真もうまく撮れなかったり、同定に自信がなかったりして、どうしても後回しになってしまっている。
そんな中で、コバンソウは「一度名前を聞いたら忘れない植物の1つであろう」と、いつもの「植物雑学事典」に書かれているように、非常に特徴的な植物だろう。産直の店で、切花として売られているのを見たこともある。
この植物は、職場の構内で非常に繁茂していて、それなりに美しいと思ったので、2007年の夏に今の家に住むことになったときに、その穂を持ち帰って、庭にばらまいたことがある。次の年の2008年の春に、そこら中から生えてくるかと思っていたら、案外生えずに、数本が育っただけだった。2009年にも少しは増えたがやはり数えるほどで、今年の春も少し増えた程度である。
ところが、後になって気がついたのだが、ま向かいの南側の空き地に、それなりの量のコバンソウが生えている。我が家の庭は、冬の間、北風が吹き抜けるので、おそらくその風でタネが飛んで行ったように思われる。我が家から、住宅地内に拡がって行くのだとしたら、先のヘラオオバコのときにも思ったことだが、あまり気分のよいものではない。コバンソウの方は、我が家でそれほど繁茂していないので、まさか我が家から広がったとは誰も思わないだろうが…。
その向かいの空き地も、昨日、管理人さんの手によって、キレイに刈り取られてしまった。この後、しばらく干し草のように積んでいて、乾いたものがどこかに運び出されるようである。どこに運ばれるか知らないが、住宅地内の植え込みなどの肥料にされるのだとしたら、住宅地内に広がるのは、あっという間だろう。住宅地内のどこにコバンソウが生えているか、ちょっと気になっている。
ヒメコバンソウは、2008年の春には、既に生えていた。そのときに、同定しようといろいろ図鑑をひっくり返して見たことを覚えている。コバンソウに比べると小穂の一つ一つが小さいので、同じ仲間だとはなかなか思えなかった。今年はものすごく増えて、ふりかけを散らしたかのような穂が、庭のあちこちで広がっている。
植物雑学事典によれば、「路傍や堤防などのやや乾いた荒れ地に多い」とのことであるが、我が家の庭では、畑のウネや枯れ草を積んでいたところの周辺など、多少は肥料が効いているところに生えている。我が家の“開墾”されていない部分は、通常の荒れ地に輪をかけて痩せているということなのだろう。それは、まさに上に述べた向かいの空き地のように、常に草が刈り取られ、そして除去されるような管理をされていたからだろう。